わ!日常の観察によって今年の東大物理は解けるんだ!大問1Ⅱ(1)(2)
日常にひそむ数理曲線をみたことはありますか?
昨日に引き続き、東大物理2015のⅡ(1)からはじめていきます。今回の問題は重心から眺めた運動についてです。
この問題は、佐藤雅彦先生の「日常に潜む数理曲線」の動画をあらかじめ見ておくと、難しくなく解くことができます。
まずは動画を見てみましょう。アマゾンへこちらからいかれた方は、
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次の画像の左側にある「Video」というところをクリックしてください。
その中の金槌が飛ぶ様子、ぜひおぼえておいてくださいね。
生徒に学校で紹介しておいてよかった!なお、東大の問題はこちらの代々木ゼミナールのサイトから御覧ください。
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Ⅱ
(1)
手を離したときに小球A・Bを1つの物体とみなすと、外力は働かないので、重力のみとなります(※)。よって重心の加速度は重力加速度のgとなります。運動方程式をたてるとすれば、次のようになります。
(2m)a = 2mg
a = g
ちなみに重心の位置は、小球A・Bの質量が同じなので、糸の中央になります。
ポイント!
※印をつけましたが、外力である張力Tはどこにいったのかな?と気がついた人いますよね!2つの物体にお互い及ぼし合う力である張力は、1つの物体とみなすと考えなくて良いということを使っています。
運動量を使うときには、よく一つの物体にまとめてしまう技を使って解く方法があります。
(2)
重心Gに対する小球の速度を求めたいので、まずはじめに時刻0秒における重心の速度を求めてみましょう。運動量を使うと簡単に求めることができます。小球A・Bがはじめにもっている運動量は、小球Aがmv、また小球Bは動いていないので0です。
2つの物体を一つの物体とみなしても、全体の運動量は変わらないので、重心の速度をVとすると、
mv + 0 = (2m)V
Aの運動量 + Bの運動量 = A+Bの運動量
これをVについて解くと、vとなります(※)。これが重心の速度です。このことからAとBの相対速度を求めてみましょう。重心に自分が乗った立場になって、AとBの様子を眺めてみます。簡単にイメージするのであれば、車に乗っている様子をイメージしてみてください。
計算するまでもなく、上の図のようになりますね(※2)。v0にを代入すれば、
となります。
答え Aの相対速度右向きに、Bの相対速度左向きに
※1
重心の位置が糸の中央だとわかると、Bの位置を中心とした円運動をしてきたということから、円運動の速度の公式v=rωより、Aの位置の速度がv0であれば、糸の中心である重心速度はその半分であるということがわかります。
※2
計算をして求めたい場合には、例えばGに対するAの相対速度を求めたければ、
① Gの速度ベクトルをかく
② Aの速度ベクトルを視点を①とそろえてかく
③ ①の速度ベクトルの終点から、②の速度ベクトルの終点に向かって矢印をひく
ことによって求めることができます。
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