誰でもわかる!2012大学入試センター「物理」の解説!
過去の解説はこちらを御覧ください。
・平成28年度(2016年)今年も当日解きます!センター物理!2016
・平成27年度(2015年) 物理基礎 物理(発展)
・平成26年度(2014年) 物理1
・平成25年度(2013年) 物理1
・平成24年度(2012年) 物理1
第一問
問1
図のように問題文を絵におこすと、波長λは2[m]ということがわかります。
次に振動数ですが、振動数とは「1秒間に何回振動するか」
を示しているので、10秒で5回振動したということは、1秒では0.5回振動する
つまり振動数f=0.5[Hz]だということがわかります。
波の式に代入すると、
v=fλ = 0.5×2= 1.0Hz
となり、答えは2番です。
答え 2番
問2
ア 図より、Qの方向に磁場ができます。右ねじ。右手をつかいましょう。
イ 円形コイルの中心にはQの方向に磁場が発生するため、中心を磁場がつらぬく形を選びます。この時点でCがあやしい。
また上の断面図のように、Aで右手の親指を紙面下むきに向けると、時計回りの回転、Bで親指を紙面上向きに向けると反時計回りの回転の磁場ができるので、ぐるぐるAやBで巻いているものを選びます。答えは7番です。
答え 7番
問3
運動方程式をうまくたてられるか?を聞いている問題です。
図のようにA、Bに働く力をすべて書きましょう。
「力のみつけかた1・2・3」よりAにはたらく力は、
1 顔をかく
2 重力を引く
3 ふれてはたらく力を描く
となります。ここでAは動き出した瞬間として地面にぎりぎりふれておらず、垂直効力Nは0としました。少しこのあたりが難しいかもしれません。
同様にして、Bに働く力もみつけると、次のようになります。
ぴんと張った糸の両端に働く張力は同じなので、どちらもTで起きました。また2つの物体は糸によって、くっついているため加速度も同じaを用いています。変数を増やさない工夫です。
2つの物体について運動方程式をつくってみましょう。
ma = 残った力より、
A ma = T – mg
B 3ma = 3mg – T
A、Bの式を連立させ、aについて解きましょう。
A+Bより
4ma = 2mg
a = 0.5g
Bはこの加速度で落下します。等加速度直線運動の公式より
となり、答えは3になります。
答え 3番
問4
たぶんこれは「ウ」が少し難しいのかもしれません。「エ」は公式の暗記で解くことができますね。
屈折の公式とそのイメージを聞いている問題です。図のようにA、Bの2人が棒をもって走っている様子をイメージしてください。Aがあるときいきなりブレーキをかけると、Bは時計回りに回ってしまいます。これがθ1 > θ2の場合です。
次にAが突然加速をすると、Bは遅いままなのでAはくるっと反時計回りにまわってしまいます。これはθ1 < θ2の場合です。今回の条件にあうのは、前者の関係で、v1のほうがv2よりも速度が速いときになります。よって、1か2のどちらかとなります。
あとは屈折の公式より、1番だということがわかります。
答え 1番
問5
まずおもりの重力をささえるための上向きの力をかきます(①)。次にそこから平行四辺形を作りましょう。今回は長方形ができます(②)。最後に、(①)の力を分解しましょう(③)。
直角三角形を抜き出して、大きなABCの直角三角形と比較すると(この2つの三角形は相似です)、
答えは1番となります。
答え 1番
問6
熱量の保存の問題ですね。登場人物は水と鉄球。水が熱を得たほうで、鉄球が熱を失ったほうです。Q=mcΔTより、水が得た熱は
100 × 4.2 × (12 – 10) 式1
質量にgをつかっているところに注意をしましょう。また鉄球の質量をm[g]とすると、鉄球が失った熱量は、
m × 0.45 × (96 – 12) 式2
熱量の保存より、式1=式2から質量を求めると、m = 22.2222・・・。答えは5番。
答え 5番
第2問
問1
フレミング左手の法則をつかってときましょう。
手をまわしすぎて、少し痛くなりました汗。
答えは1。
答え 1番
問2
誘導電流はコイルを貫く磁束が増えたり、減ったりするときに発生します。よって1と2の領域に入るとき、2と3の領域に入るときに電流は流れます。
1と2の間では、コイルを貫く上向きの磁束が増えるので、磁束を減らすように時計まわりに誘導電流が流れます。これは負ですね。
2と3の間では、コイルを貫く上向きの磁束が減るので、磁束を増やすように反時計まわりに誘導電流が流れます。これは正ですね。
負から正ということで、答えは4番。
答え 4番
問3
まず導線全体に流れた電流と電圧の関係から、二クロム線全体の抵抗Rはオームの法則を使うと、
V=IR
15 = 0.15 R
R = 100[Ω]
となります。よって二クロム線1mあたりの抵抗値は100/25=4[Ω]となります。次の図のように、二クロム線に長さにおうじた抵抗をつけます。その大きさは長さによって計算をしておきます。まず並列回路を公式を用いて合成して、その後回路全体の抵抗を直列の公式で求めます。
最後に回路全体でオームの法則を考えましょう。
答えは3番となります。
答え 3番
問4
まずL=0のときは全体の抵抗は20Ωなので、回路に流れる電流は
15 = I 20
I = 0.75[A]となります。これで5番は違うことがわかります。次にある距離Lにあるときは、図のように、二クロム線の抵抗は4Lとなります。銅線の抵抗は0なので、銅線より右側には電流は流れません。
合成抵抗を求めると、20+4L+4Lとなり、回路全体のオームの法則より、
15 = I ×(20+4L+4L)
I = 15/20+8L
となります。切片が0.75となり、このグラフの形に適しているのは1番となります。
答え 1番
第3問 A
問1
これはよくある問題ですね。まず回折格子の強め合いの条件式を作ります。そして、sinθについてときましょう。
次にθの条件を使って1/2mの条件を挟み込み、mの範囲を狭めます。
答えは2番の3本。
答え 3番
問2
dsinθ=mλより、例えばm=1の場合
sinθ= λ/d
となります。
赤と青を比べると、赤のほうが波長が長い。よって赤のほうがsinθは大きくなります。sinθは0°〜90°の範囲ではθが大きくなるほどsinθは大きくなります。
このため、角度の小さなOPはm=1の青の強め合いであり、次にあるOQがm=1の赤の強め合いであることがわかります。さらにRはm=2の青の強め合いだということもわかります。赤のm=2の強め合いはRの後にくるはずだからです。
答え 6番
B
問3
3ステップ解法の手順に従って、気中の中の振動の絵をかき、表を埋めて行きましょう。次の図のように、それぞれ基本振動ができていることがわかります。
「葉っぱ2枚で1λ」、波長の長さに注意が必要ですね。
ここで、音速はV、気中の長さはLとしました。はじめの状態からv=fλより
V = 440×2L 式1
手でおさえた状態は、
V = f’ ×4L 式2
となります。f’は今からもとめたい振動数です。この2つの式より、f’を求めると、f’=220Hzとなります。
440×2L = f’ ×4L
f’ = 220
次の振動は同様に次の絵のようになり、
v=fλより、
V = f” 4/3 L 式3
となります。式2と式3より、
f’ ×4L = f” 4/3 L
f” = 3f’
f” = 660Hz
答え 2番
問4
ヘリウムガスを満たしたため、音の速度が変化しました。ただしそれ以外は上記の問題と変化していません。基本振動が起きているため、空気の音速をVとすると、v=fλより、
3V = f ”’ ×2L 式4
式1のVを代入して、数式をときます。
3(440 ×2L) = f”’ ×2L
f”’ = 1320Hz
答え 4番
第4問 A
問1
①は自然の長さの状態、②はボールを離す瞬間、③は自然の長さを通り過ぎた瞬間、④は自由落下を示しています。3の自然の長さを通りすぎた瞬間を位置エネルギーの基準として、エネルギーの保存をたてると、
答え 3番
問2
加速度とは力のこと(ma = F)なので、力についてみていきましょう。
上の図の2〜4までの状態で、常に物体に重力mgが働いています。
ばねについている間(2〜3)は、自然の長さになっていないためフックの法則のfxの下向きの力が働きます。
よって、力の合力を考えて運動方程式をたてると、
ma = mg + kx
a = g + k/m x
となります。ばねがはずれたあとは、物体に働く力はmgのみなので、重力加速度gで落下していきます。
よって答えは2番。
答え 2番
B 問3
エネルギーの保存より、
答えは6番
これははずせない問題です!
問4
失ったエネルギーは位置エネルギーの差から、
mgh – mg(7/10)h = mg(3/10)h
となります。このエネルギーが摩擦の仕事(f×L)によって失われたと考えられるため、
fL = mg(3/10)h
f = mg(3/10)h/L =mg(3h/10L)
また動摩擦力の公式より、f=μNなので
μN = mg(3h/10L)
μmg = mg(3h/10L)
μ= (3h/10L)
答え 1番
問5
これは少し難しいかも!?ABを1回通過すると、mg(3/10)hのエネルギーを失います。物体がはじめにもっていたエネルギーはmghなので、
1回 mg(7/10)h Qに到達
2回 mg(4/10)h Pよりも下に到達
3回 mg(1/10)h Qよりも下に到達
4回 もうAまでたどりつけません。Bより少し先で止まります。
となります。このことから、Aを通過するのは、1回目、2回目、3回目の3回です。
そして3回目の残りのエネルギーはmgh – mg(9/10) = mg(1/10)hとなりこのエネルギーでBからどこまでいけるかを計算します。
となります。Bから1/3Lなので、Aからはかれば、2/3Lとなります。ここ間違えやすいので注意です!
答え 5:3番 / 6:4番
C 問6
等温変化ですね。ボイル・シャルルの法則から、コルクが抜ける瞬間の体積をV’とすると、
答えは3番。これは落とせない!
答え 3番
問7
熱力学第一法則を使って考えましょう。
Q = ΔU + W ※1
操作アは気体を圧縮するため、「気体は仕事をされます」。上の式で考える場合、Wが負となります。
もし断熱(Q = 0)で何もしていなければ、温度(内部エネルギーΔU)は上昇してしまいます。
-W = ΔU
空気入れの空気を圧縮する部分をさわると熱くなっているのはこのためです。
この問題では等温にたもっているため、熱Qを「内部から外部へと放出」する必要があります。
操作イは定積変化(W = 0)です。せんが抜けるまでゆっくりと加熱をしていきます。
熱力学第一法則から、
Q = ΔU
となり、与えた熱は温度上昇に使われていき、圧力があがっていきます。
熱を与えているので、外部から内部への移動となります。
ちょっとあっけない?
答え 2番
※1 この式では気体が主役で、Wは気体がした仕事を正とします。
学校ではΔU = Q + Wで教わっている人がいるかもしれません。
この場合Wは気体がされた仕事です。
お疲れ様でした!
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