即日解説!博士と解く2015センター物理基礎

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。 

今年もやります!センター試験 物理・物理基礎はこちらを御覧ください!
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センター物理基礎

※ センター試験2015、物理基礎・物理の解説を行います!
初めての方はまずはこちらのページを御覧ください。
大問題などはすべてこちらにまとまっています。

当日解いているため、間違いもあるかもしれません。
何かございましたら、お問い合わせからご連絡ください。

問題用紙はこちらをご覧下さい

ケン博士第1問 小問集合

問1

これらの問題は言葉の定義をしっかりと理解するだけですね。

1文目を読むと、静電気力のことを指しているので、アは帯電が入ります。

静電気力は異種の電気、つまり+と−では引き合います。
また同種の電気では、+と+や−と−などでは、反発をします。

答えは③ですね。

問2

熱効率とは、熱機関がした仕事Wを、熱機関を動かすために与えた熱エネルギーで割ったものです。今回の熱機関にはQ1の熱をあげました。するとQ2の熱が排出されています。熱機関がした仕事Wが与えられていません。どうしましょう。

実はこの差であるQ1−Q2の分が、熱機関のした仕事Wを示しています。

スクリーンショット 2015-01-18 20.50.23

 具体的な数字を入れてみるとわかりやすいとおもいます。例えば100Jの熱をあげたとき、80Jの熱が排出されれば、20Jぶんがどこかにいってしまいました。エネルギーは保存をしているはずなので、消えてしまうことはありまえん。実はこのエネルギーが仕事になった分を示しているのです。

このことから熱効率は、

スクリーンショット 2015-01-18 20.50.11

 となります。答えは⑤番ですね。

問3

スクリーンショット 2015-01-18 20.54.57

静止していた自転車が3秒後に6m/sの速さになったので、加速度を求めると

スクリーンショット 2015-01-18 20.54.48

となります。またこのときに移動した距離は等加速度直線運動の位置の式を使うと、

スクリーンショット 2015-01-18 20.54.52

となります。答えは②番です。

→ 発展 等加速度運動の公式の隠しワザはこちらをチェック

問4

この問題はやや難しい問題ですね。具体的に数字を入れて考えてみると、わかりやすいと思います。

まず弦の長さをLとします。はじめ110Hzのときに、基本振動が起きていますので、
このときの波の式(v=fλ)を作ると、

スクリーンショット 2015-01-18 21.04.42

v = 110 × 2L 式1

となります。定常波の場合、葉っぱ2枚の長さが1波長でしたね。

問題文では250Hz以上の振動数の定常波をきいていますが、
この調子で、2倍振動、3倍振動の関係式も作ってみましょう。

2倍振動のときの振動数をfとすると、ちょうど葉っぱ2枚が弦の中に入っているので、波長はLとなります。

 スクリーンショット 2015-01-18 21.04.39

v = f’ × L 式2

3倍振動のときの波長をf”とすると、同様に波長は2/3Lとなります。

スクリーンショット 2015-01-18 21.04.36

v = f” × 2/3 L 式3

ここで大切なのは、左辺の速度vはどの振動パターンでも同じであるということです。
弦の振動の場合は、弦を張る強さや、弦の種類をかえなければ、波の速度は同じになります。

よって(式1の右辺)は(式2の右辺)と同じになります。これをf’についてとくと、

110×2L = f’×L

f’ = 220[Hz]

となります。これは250Hzよりも小さいので問題文の求めている条件とは合いません。

同様に、(式1の右辺)=(式3の右辺)からf”を求めると、

110×2L = f” × 2/3 L

f” = 330[Hz]

となります。これは条件に合いますね。答えは②番です。

ポイント!

この問題のポイントは、具体的な数字を入れて考えていくことです!
わかりやすい数字をいれて検討をしていくことを覚えましょう!

問5

この問題は知識問題ですね。

ウランやプルトニウムは原子核にたくさんの陽子をもっているため、中性子も多く必要になり、結果として質量数の大きな不安定な原子です。

このため刺激を与えると原子核は核分裂を起こして、そのさいに膨大なエネルギーが発生します。

また核分裂によって生まれた原子も大きなエネルギーをもっており、長期間にわたって放射線を出し続けます。これが放射性廃棄物ですね。

注意!

 原子分野は知識問題として出てくる可能性大!今後も注意が必要ですね。

ケン博士第2問 波動と電気

A 問1

これは嫌な問題です。

注意!

まず問題文から原点の媒質の変位は単調に増加をしたということから、この波は

左向き

に進んでいたことがわかります。

スクリーンショット 2015-01-18 21.26.38

左向きにすすむと、原点の媒質は単調に上にいくだけだからです。

もし右向きに進んだとしたら、次の山の場所にいくまでに上下に振動をして、単調に増加しません。

このため、0.2秒間で山の位置を見ると−1動いたので、速度は−1÷0.2 = -5m/sとなります。答えは②番。

問2

波長は図より12mということがわかります。波の式(v = fλ)に代入をして、振動数を求めると、

5 = f×12

f = 5/12

 となります(なお速度vは−5という向きを含めずに、大きさ(速さ)を入れています)。

振動数と周期の関係(T = 1/f)より、

T = 12/5

 これを解くと周期は2.4秒となります。

B 問3

Iaについては、3つの抵抗を合成してから、オームの法則をつかって求めましょう。

スクリーンショット 2015-01-18 21.41.57

オームの法則より、

スクリーンショット 2015-01-18 21.42.13

またIbについては、R1に流れる電流しか問われていないことです。
このため、単純に上にある抵抗でオームの法則をつくればいいので、

スクリーンショット 2015-01-18 21.44.05

 スクリーンショット 2015-01-18 21.44.12

 となります。ちなみに図のようにIcとIdについても求めておくと、

スクリーンショット 2015-01-18 21.44.17

となります。答えは7番ですね。

問4 消費電力を調べるために、公式P=IVを使って考えていきます。ここで大切なのが、

ポイント!

定数はどれかを考えて検討をする

ということです。

例えば回路aの場合は、それぞれの抵抗で電流が共通しています。
また抵抗は問題文からすぐにわかるので、電流と抵抗になるように数式変形を行います。

オームの法則を使うと、消費電力は、

スクリーンショット 2015-01-18 21.47.48

とあわらすことができます。このため抵抗が大きいほど消費電力は大きくなるので、R3が一番消費電力が大きいことがわかります。

回路bでは、今度は電圧がすべての抵抗に対して共通です。電流は先程の問題でついでにもとめたので、P =IVより、

スクリーンショット 2015-01-18 21.49.10

流れる電流に比例することがわかります。電流を見ると、一番流れているのはR1の抵抗ですね。答えは⑦番です。

ケン博士第3問 力学

A 問1

2本の力がはたらいているため、F=kx×2というように考えてしまうかもしれませんが、
片方を壁に固定していると思ってくださいね。

F=kxを展開しましょう。

スクリーンショット 2015-01-18 22.00.06

答えは②番ですね。

力のつり合いが不十分な人はこちらを参考にどうぞ

問2

力学的エネルギーをそれぞれ考えてみましょう。はじめばねを伸ばしていないときの力学的エネルギーは、
動いていない、高さもない、ばねも伸びていない、ため、0です。

ばねが伸びたときの力学的エネルギーは、動いていない、高さはない、ばねは伸びている(1/2kx^2)ので、
1/2kx^2の力学的エネルギーをもってます。

このことからエネルギー保存の式を作ると、

スクリーンショット 2015-01-18 21.59.52

となります。これを仕事について解くと、答えは⑤番となります。

→ 仕事とエネルギーの関係でつまずいた人はこちらをチェック

B 問3

センターらしい問題ですね。斜面上の物体にはたらく力は質量をmとして、斜面の傾きをθとすると、mgsinθとなります、

スクリーンショット 2015-01-18 22.06.18

 運動方程式に代入すると、加速度はgsinθとなり、斜面の傾きが変わらなければ一定です。

スクリーンショット 2015-01-18 22.06.23

 v-tグラフにおいて、傾きが加速度を示しますから、一定の加速度があるもの、つまり傾きが一定で「ある」というものを選びます。

スクリーンショット 2015-01-18 22.06.13

 答えは①番ですね。

問4

これもセンターらしい問題です。この問題の場合は力学的エネルギーは保存をします(重力以外の外力がはたらかないため)。

つまりはじめの状態で力学的エネルギーが大きい物ほど、速度が大きくなるということになります。

まずa,b,cも同じ位置エネルギーをもっています。さらにaとbは向きは違いますが、運動をしているので運動エネルギー1/2mv^2を持っています。

このためQの地点に到達したとき、vaとvbの速度は速くなり、vcは遅くなります。

va = vb > vc

ということで答えは⑥番になります。

力学では解法をどう選んでいくのかが大切です!わからない人はこちらをどうぞ!

ケン博士ケン博士の感想

物理基礎は基礎・基本の徹底が求められていました。

新課程となり初めての年なので、予想をしていたように難しくはないのですが、
公式を暗記していただけではだめな問題が多かったかと思います。

文字式の中に具体的な数字を入れて、
検討をするなどの工夫をしながら考えていく必要がありそうでした

また知識問題も2問とわれており、範囲の狭さから、どうしても知識問題のようなものも
問う必要があるのかなと感じました。
原子分野はとくに知識問題が今後も大事になってくるのではないかと思います。

来年度は発電や環境問題の関係で知識問題が出るのではないかと思っております。
このあたりも教科書を読んで取り組めたかどうかが大切ですね。

最後の大問3のように、今までのセンターらしい問題も出題されていました。
いままでの過去問を解くことでも練習になるのではないでしょうか

エネルギーの問題が多く見られた割に、運動方程式の問題が少ないように感じています。

全体としては楽な問題なので、文系の生徒が受けていく価値のある科目だと思っております。

センター物理(発展)も解説します。

続きはこちらからどうぞ。

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※ センター試験対策の参考書を書きました。
来年度受けるよ!という人は参考にしてくみてください。

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過去の「どこよりも早く!」はこちらを御覧ください。

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高校2年生におすすめしたい参考書をまとめました

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