理科教師が絶叫マシンにセンサーを仕込んでみた ~ビックサンダーマウンテン編~
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

センサーを片手に東京ディズニーランドのジェットコースター(ビックサンダーマウンテンとスプラッシュマウンテン)に乗ってきました。ガイドブックには絶対に載っていない、あんなことやこんなことがわかりました。
前回はスプラッシュマウンテンで得たデータを解析しましたが、今回はビックサンダーマウンテンで得たデータを解析してみました。スプラッシュマウンテンのデータ解析結果や、なぜこのようなことをしているのかなどの経緯については、こちらの記事を御覧ください。
ご存じの方も多いかもしれませんが、ビックサンダーマウンテンはこんな乗り物です。他の方が撮影したものですが、乗ったことがない方はぜひ御覧ください。
データが語る、乗り物の「素顔」
ではさっそくですが、このビックサンダーマウンテンに、ジェットコースターが苦手な私が乗ってきました。はっきりいって怖かったです。もう乗りたくないです(測定のため2回も乗るはめになりました)。実は絶叫マシンというのは、単に速いから怖いのではなく、体にかかる加速度が刻一刻と変化することで「予測できない揺さぶられ方」をするから怖いのです。人間の平衡感覚は、こうした急な変化にとても敏感にできています。その加速度・高度データがこちらです。

ビックサンダーマウンテンは、落差が最大で9.9m(1回目で9.6m、2回目で9.9m、9.0m)くらいだということがわかりました。もっとも高いところは乗り場から9.5mの高度にあります。また乗車時間は3分と、スプラッシュマウンテンよりも短いことがわかりました。面白いのは、3回の「位置エネルギーの補充」を行いながら、それを運動エネルギーに変えて走っている点です。つまりこのコースターは、一気に登って一気に落ちるのではなく、小さな山をいくつも越える構成になっているのですね。これはジェットコースターのモーターが常に稼働しているわけではなく、最初にチェーンで持ち上げたエネルギーを使い回しながら走行しているためです。
計算してわかった、公式には載らない最高速度
力学的エネルギーの保存則を使って(※)、その最高速度を求めてみると、13.9m/s、時速にしてみると47.5km/hとなります。これは公式データには載っていない情報だと思いますが、なかなかの速さですね。街中を走る自動車の法定速度に迫るスピードが、あの小さなコースの中で出ているというのは、意外に感じる方も多いのではないでしょうか。
また加速と減速の様子が非常に激しいことがわかります(これは細かな起伏によるものと思われます)。これらのことから、体を激しく揺さぶられていることになり、これはスプラッシュマウンテンとの大きな違いといえそうです。スプラッシュマウンテンが「大きな一発の落下」で恐怖を演出するのに対し、ビックサンダーマウンテンは「小刻みな揺さぶりの連続」で恐怖を演出している、ということがデータからも読み取れます。同じ絶叫マシンでも、設計思想がまったく違うというのは、なんとも興味深い発見です。
なおスプラッシュマウンテン、ビックサンダーマウンテンともに、こちらに元となったデータを公開します。解析をしたい方はぜひ使ってみてください。
スプレットシートで書き出したもの
解析したもの
※ 落差を使った速度計算のもとめかたについてはこちらを御覧ください。
これらを使って、富士山やスプラッシュマウンテンの速度を計算してみましょう。
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