【科学講演】夏の常識を覆せ! ジメジメ湿気を吹き飛ばす「静電気サイエンスショー」
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験!
「バチッ!」とくる静電気。あの指先の痛いサプライズは、乾燥した冬の風物詩だと思っていませんか? もし、ジメジメした真夏に、静電気が大暴れするサイエンスショーがあるとしたら…? ちょっと不思議で、ワクワクしませんか?そんな常識を覆す実験が、この夏、長野県飯田市で実現しました。
7月27日、長野県飯田市の「おいで館」にて、「おもしろ科学工房」さん主催の「夏の静電気サイエンスショー」を開催し、多くの小学生と保護者の皆さんにご参加いただきました。「夏なのに静電気?」――。その言葉こそが、今回のサイエンスショー最大のテーマ。湿気が多く、本来なら静電気が発生しにくい夏だからこそ、その不思議と面白さが一層際立つ、特別な科学体験となりました。
当日は大盛況! 参加者の皆さんは、かつての人々が“妖術”と信じた目に見えない電気が、まるで魔法のように人や物を動かす様子を、科学の目で解き明かす冒険へと旅立ちました。「バチッ!」という音の正体、その科学的なメカニズムに触れる貴重な機会となったのです。
「見えない電気」が巻き起こす魔法! 夏の静電気ショーの秘密兵器
なぜ、夏は静電気が起きにくいのでしょうか? その犯人は、空気中にたくさん存在する「水分子」です。水は電気を通しやすい性質があるため、せっかく発生した静電気も、空気中の水分にどんどん逃げていってしまうのです。
しかし、今回のショーでは、その常識を打ち破るための強力な秘密兵器を用意しました。静電気実験の王様「バンデグラフ起電機」と、秘密の「帯電ガン」です。
この最強タッグのおかげで、湿度の高い夏でも、冬以上にパワフルな静電気実験が可能に! テレビでお馴染み、みんなで手をつないで電気の通り道になる「100人脅し」や、ちょっぴりドキドキの「静電気ドリンクの試飲体験」など、電気の不思議に迫る実験の数々に、会場からは驚きと歓声が上がりました。
私が特にこだわったのは、「目に見えない電気が、どこに溜まって、どう動くのか」という電気の“流れ”を体感してもらうこと。現象の面白さだけでなく、その裏にある科学のルールを、目で見て、体で感じて理解できるよう、様々な仕掛けを凝らしました。
平賀源内もびっくり? 歴史とつながるサイエンス
ショーの中では、静電気の正体だけでなく、私たちの生活を支える「電気回路」の基本や、雷から建物を守る「避雷針」の仕組みについても分かりやすく解説しました。
さらに、科学の旅は江戸時代へ! 日本で初めて静電気発生装置「エレキテル」を復元したことで知られる平賀源内や、「電気学の祖」と称される橋本宗吉といった偉人たちを紹介しました。彼らがどのように電気の謎に挑み、その探求心が現代の私たちの生活にどう繋がっているのか。歴史と科学が交差するストーリーに、子どもたちの目は一層輝きを増したようでした。
おもしろ科学工房さんの公式ページでは、当日の様子が動画付きで詳しく紹介されています。ぜひ合わせてご覧ください。
子どもから大人まで、誰もが楽しみながら、いつの間にか「電気」の知識が身につく。そんな、自然と“学び”が深まる場を実現できたことを、心から嬉しく思います。
ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました!
飯田ケーブルテレビ(2025/07/28)でも放送されたそうです!
実施概要
- タイトル: 夏の静電気サイエンスショー
- 講師:桑子研
- 日時: 2025年7月27日(日)
- 1回目:11:00~12:00(予定)
- 2回目:13:00~14:00(予定)
- 場所: 長野県「おいで館」
- 主催: おもしろ科学工房
- 住所: 〒395-0077 長野県飯田市丸山町4丁目
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