スプラッシュマウンテンとFUJIYAMAの最高速度を求めよう!(高校物理)

ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。 

東京ディズニーランドのスプラッシュマウンテンや富士急ハイランドのFUJIYAMAの最高速度は、高校で習う物理基礎の知識があれば求められるんです!

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スプラッシュマウンテンに乗ったことはありますか?

毎年おどろくのですが、私の通っている学校の生徒は、都心にあるからなのかディズニーに行ったことがある生徒はほぼ100%。さらに驚くべきは、半数以上は1年に2回以上もディズニーランドに行くのだそうです。ぼくの住んでいた群馬県では、町内会で3年に1回バスがでて行く程度でしたので、このことには驚きました。

ですからスプラッシュマウンテンに乗ったことがある生徒は本校ではほぼ100%。ちなみにFUJIYAMAはクラスに2〜5人くらいです。東京ディズニーランド最速の乗り物は実はスプラッシュ・マウンテンです。

一応補足情報ですが、スプラッシュマウンテンとは、ディズニーランドの一番奥側にある丸太にのって滝壺に飛び込んでいくというアトラクションです。調べてみると、公式ガイドブックによればなんと最大落差は16メートル!校舎で言えば、3階くらいの高さ。

ディズニーランド公式サイトより

こちらの動画の7分ころの様子をご覧ください。これが落差16メートルの滝です。

動画だと一見怖くなさそうですが、乗ってみると以外に怖いんです!(ぼくだけ?)公式データブックで調べてみると、全長は850m、水量は毎分110t、最大傾斜45度、そしてそして、最高時速は62kmなんだとか!

ジェットコースターはエンジンがついているわけではなく、最高点にからレールにそって台車を落としているにすぎません。そのため落差16メートルという情報だけで、ジェットコースターがだいたいどのくらいの速度がでるのかを計算することができます。

高校物理では運動エネルギーと位置エネルギーを勉強しましたね。運動エネルギーの公式は「1/2×質量×速度の二乗」です。また位置エネルギーは「質量×重力加速度×高さ」です。スプラッシュマウンテンのようなジェットコースターではレールとの摩擦をほぼ無視できるとすれば、力学的エネルギー(運動エネルギー+位置エネルギー)の和は保存します。

これを力学的エネルギー保存の法則といいます。丸太ボートと観客の質量を併せてmとして力学的エネルギーの保存から最高速度を計算してみましょう。

丸太ボートは落ちる前、速度は0なので運動エネルギーはもっていません。しかし高さがあるため、位置エネルギーをもっています。また落下後は高さはゼロなので位置エネルギーはありませんが、その分速度がでているので、位置エネルギーはあります。このことから力学的エネルギーの保存の式を作ります。

はじめの力学的エネルギー = あとの力学的エネルギー

この式を速度について展開をします。

これを電卓で叩いてみると、だいたい17.7m/sとなります。これは時速似直すと、63.7km/hとなります。ガイドブックにのっていた62km/hと比べるとほぼ一致することがわかります。

富士急ハイランドにあるFUJIYAMAも同じ方法で求めることができます。

FUJIYAMAの公式HPを見ると、最大落差70m、最高速度130km/hと記載されています。

富士急ハイランドのFUJIYAMAの公式HPの情報

それでは力学的エネルギーの保存則をつかって計算をしてみよう。先程のhの部分に70を入れて計算すると、

v=√(2×9.8×70)

v=37m/s、時速にすると、133.2km/hとなり近い値となりますね。面白い!でも、なぜかスプラッシュマウンテンもFUJIYAMAも理論値より、実際の最高速度はわずかに小さな数字になっています。なぜでしょうか。

外力がはたらいているけれど…

このようにジェットコースターまたは振り子などでは「力学的エネルギー(運動+位置+弾性エネルギー)」は、ほぼほぼ保存します。

でもちょっと考えてみてください。ジェットコースター(または振り子)には垂直効力(または張力)などの「外力」がはたらいています。外力がはたらくと力学的エネルギーは保存しないはずです。

これはいったいどういうことなのでしょうか?実は、垂直効力や張力が常に物体の運動方向と垂直にはたらいているからです。運動方向に対して垂直な力のする仕事は0なので、力学的エネルギーのみを考えてよいのです。

ジェットコースターの場合

振り子の場合

垂直効力や張力は実際にその大きさを求めるのが大変ですが、このように仕事をしません。よってどのような経路をたどったとしても力学的エネルギーは保存をするのです(では垂直抗力や張力はこの運動にとってどのような影響を及ぼしているのでしょうか?)

これらのことから、アルプスの少女ハイジの乗っているブランコのスピードを求めたりすることができます。

この本ではアルプスの少女ハイジに出てくるブランコは力学的に考えるとどれくらいのスピードが出るのかを試算しています。

例えばですが、ブランコのヒモの長さが30m、角度が60°とすると、最下点での速度は、

ぜひ自分で計算をしてみましょう。

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桑子 研(くわこけん)
 1981年群馬県生まれ。サイエンストレーナーとして全国で実験教室やICT活用講演会を開いている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)、『きめる!物理基礎』(学研)など10冊。