理科の授業で使える!ゼニゴケの観察実験ガイド

桑子研
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ゼニゴケの観察をしよう!

理科の授業で植物の生殖を扱う際、コケ植物はとても興味深い観察対象です。今回は、校内で見つけたゼニゴケを使って、雄株と雌株の違い、そして胞子の観察を行いました。顕微鏡を使った実験は生徒たちにとって新鮮な体験になること間違いなしです!

ゼニゴケを採取してみよう

ゼニゴケは湿った場所を好み、校内の水辺や日陰の地面などに自生していることがよくあります。今回は、シャベルを使って丁寧に採取しました。採取の際には根元までしっかり取り、乾燥しないように湿らせたペーパーなどで包んでおくと良いでしょう。

雄株と雌株の違い

採取したゼニゴケを観察すると、明らかに形が異なる2種類の株があることが分かります。

  • 雄株:平らな葉状体の先端に、細かい突起のようなものがある。

  • 雌株:傘のような形をした突起があり、その先端に胞子が形成される。
  • 形がぜんぜん違いますよね。雄株と雌株。このように、ゼニゴケは雄株と雌株がはっきりと区別できる特徴を持っています。生徒にとっても視覚的に理解しやすいので、比較しながら観察するとよいでしょう。

胞子の観察

雌株の黄色い部分が胞子を含む部分です。この部分を軽く叩いて胞子を取り出し、顕微鏡で観察してみました。

観察方法

準備するもの

  • ゼニゴケ(雌株)
  • ピンセット
  • スライドガラス
  • カバーガラス
  • 顕微鏡(400倍推奨)

手順

  1. 胞子を取り出す
    • 雌株の胞子がある部分をピンセットで軽く叩く。

    • スライドガラスの上に胞子を落とす。
  1. プレパラートを作る
    • カバーガラスを優しく載せ、胞子を押し広げる。
  2. 顕微鏡で観察
    • 接眼レンズ10倍 × 対物レンズ40倍(400倍)で観察。

接眼レンズ10倍×対物レンズ40倍、400倍で観察をしました。

観察結果

胞子は非常に小さく、丸い形をしており、表面には独特の模様が見られました。顕微鏡で覗くことで、肉眼では見えない植物の構造を理解することができます。

授業で活かすポイント

  • 植物の繁殖方法の比較:種子植物との違いを考えさせる。
  • 胞子の構造に注目:顕微鏡スケッチを行い、細かな特徴を捉える。
  • 環境との関係:湿った場所を好む理由を考察させる。

まとめ

ゼニゴケの観察を通して、植物の繁殖方法の多様性を学ぶことができます。実際に自分で採取し、顕微鏡で観察することで、生徒たちの興味関心を引き出し、学びを深めることができるでしょう。ぜひ、授業で取り入れてみてください!

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