理科室の革命!スマホより小さい電源装置「Petit-X」が実験を変える
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
理科の実験といえば、何を思い浮かべますか? ビーカー、フラスコ…そして、あの大きくて重たい「電源装置」。実験室まで運ぶのが大変で、机の上もコードだらけ…。そんな「理科室あるある」を過去のものにする、驚きのアイテムに出会いました!
理科機器メーカーのナリカさんから登場した、パソコンに繋いで使うミニ電源装置、その名もPetit-X(プチエックス)です。これが、想像をはるかに超える便利さでした!
手のひらサイズの「理科室」革命
まず驚くのが、そのサイズ感。なんとスマートフォンよりも小さいのです。これなら実験準備のたびに、重たい電源装置を「よっこいしょ」と運ぶ必要もありません。ポケットに入れて持ち運べるレベルです。パソコンのUSBに接続して使う手軽さも魅力です。

従来はこちらの方法でした。

小さいのにパワフル! 5Vで「電気分解」もバッチリ
このPetit-X、小さいからといって侮れません。電圧は0.6Vから6Vまで、0.1V間隔で細かく調整可能です。中学校の理科実験では、6Vあればほとんどの実験ができてしまいます。(電気泳動など一部の特殊なものを除けば、十分すぎるパワーです)。
実際に、中学2年生の化学分野のハイライトとも言える「塩化銅の電気分解」に使ってみました。電気分解は、電流を流して物質を化学変化させる実験です。陽極(+)には塩素が、陰極(ー)には銅が付着する、あの定番の実験ですね。生徒たちには5Vに設定して試してもらいましたが、結果はバッチリ!しっかり銅と塩素に分解できました。

マイクロスケール実験との最強タッグ
私が特に感動したのは、「マイクロスケール実験」との相性の良さです。マイクロスケール実験とは、使う薬品や器具を最小限にして行う、安全で環境にも優しい実験手法です。
この小さな実験器具と、小さな電源装置。まさに最強のタッグです。回路全体が驚くほどコンパクトになり、生徒たちの机の上がスッキリ!

「見やすい」が「わかりやすい」に変わる
ちゃんと電気分解できるパワーがありながら、この手軽さ。今まで使っていた20Vモデルの大型で重い電源装置を運ぶ手間がゼロになったのは、まさに革命的でした。実際に20Vのつまみがあると危ないし、20Vも使う実験は中学だと電気泳動くらいでしょうか。6Vでほとんどの実験がうまくできてしまいます。
そして、もう一つ大きなメリットがあります。それは「回路が見やすい」こと。従来の大きな電源装置は、それ自体が場所を取り、コードもごちゃごちゃしがちでした。Petit-Xなら、電源本体が小さいため、回路の「どこから電流が来て、どこへ流れていくのか」が非常にシンプルに見えます。これは、電気の仕組みを初めて学ぶ小学生や中学生にとって、絶大なメリットではないでしょうか。「見やすい」ことは、そのまま「わかりやすい」につながります。
かゆい所に手が届く「現場目線」の機能
電源は、パソコンのUSB Type-Aポートから取るか、USB対応のACアダプタ(コンセント)から取ることができます。
詳しいスペックは製造元のナリカさんのHPにも書かれていますが、主な仕様は以下の通りです。
| 出力電圧 | 0.6~6V |
|---|---|
| 最大電流 | 1A |
| パネル表示 | デジタル電圧計 |
| 電源 | DC5V(Type-C) |
| 大きさ・質量 | 90×45×30mm(突起部含まず)、65g |
| 付属品 | USBケーブル、バナナチップ2個、ACアダプタ(Petit-XBのみ) |
| その他 | 裏面磁石付き |
スペック表で注目したいのが、「裏面磁石付き」という点。これがまた素晴らしい! ホワイトボードやスチール製の黒板にピタッと貼り付けて固定できます。机の上で滑ったり、コードの重みで落ちたりする心配がありません。まさに「現場の先生」目線で作られた機能ですね。
運搬の手間をなくし、机の上をスッキリさせ、回路を分かりやすくする。Petit-Xは、理科実験のハードルをぐっと下げ、生徒の「わかった!」を強力にサポートしてくれる、小さな巨人だと感じました。
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