渋谷で出会った「本物の星空」〜コスモプラネタリウム渋谷 訪問記〜

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

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都会の真ん中で、息をのむような「本物の星空」に出会える場所があるのをご存知ですか? 最近は映像技術がすごいプラネタリウムも多いですが、「今夜見える星」をじっくりと解説してくれる場所は、実はとても貴重です。先日、私たち地学部は、そんな「星空の原点」を求めて、ずっと行きたかったコスモプラネタリウム渋谷を訪れました。

なぜ今、渋谷のプラネタリウムなのか?

私たちの目的は、文化祭などで披露する「プラネタリウムを自作する」ための参考探しです。数あるプラネタリウムの中で、なぜここに行きたかったのか。それには2つの大きな理由があります。

  • プラネタリウムの王道である、星の投影そのものに力を入れていること
  • 料金が(とても)安いこと

最近は、迫力あるCG映像で宇宙旅行を体験できるような、エンターテイメント性の高いプラネタリウムが増えています。それももちろん楽しいのですが、私たちが求めていたのは、「今夜、空を見上げたら見える星空」を忠実に再現し、その見方を丁寧に教えてくれる場所でした。渋谷のこのプラネタリウムは、まさにその期待に応えてくれる特別な場所だったのです。

息をのむ星空と「生解説」の深み

実際に訪れてみて、係員の方からお話を伺い、プログラムを体験して…とにかく星空の綺麗さに圧倒されました!

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とくによかったのが、冒頭部分の「今日の星空」を使った生の解説です。「冬の空には、明るい一等星がいくつ見えるでしょう?」「あの星の名前の由来は…」など、単なる星座の紹介に終わらない、小ネタ満載の星空解説です。

文化祭などでプラネタリウムを作って、生徒が説明を行おうと思っていたのですが、人を惹きつける解説には、天文学の知識はもちろん、歴史や神話まで、相当な知識が必要になりそうです。うーん、これは大変だぞ…と、新たな課題も見えました。

偶然の出会いと「手作りのヒント」

そんな中、たまたま広島から来ていた「星空プロ」の先生とお会いできるという幸運が!私たちが作ろうとしているのは、針穴(ピンホール)で星を投影するシンプルなプラネタリウムです。そのお話をすると、目からウロコの専門的なアドバイスをいただけました。

  • 「一等星のサイズは2mmくらいの大きめの穴をあけたほうがいい」 (なるほど! ピンホールは穴が小さいほどシャープになりますが、明るい一等星は光量を稼ぐためにあえて穴を大きくして明るさを表現するんですね)
  • 「アンタレスは赤セロハンを貼っておくと面白い」 (アンタレスは「さそり座」の心臓で赤く輝く星。火星(アンチ・アレス)に対抗するもの、と呼ばれるその色を再現するだけで、ぐっと本物感が増します!)

こんな実践的なヒントが得られたのも、大きな収穫でした。

宇宙の深淵に触れる

とにもかくにも、プライベートでも絶対にまた来たい! そう思わせてくれるプラネタリウムです。個人的なプラネタリウムランキング、堂々の一位です(笑)。渋谷駅からも近いので、ぜひみなさんも「本物の星空解説」に浸りに行ってみてくださいね。

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