目に見えない粒子のダンス!電気分解の「裏側」をシミュレーションで覗いてみよう

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

私たちの身の回りにある水溶液の中には、電気を帯びた小さな粒子が隠れているとしたら、信じられますか? もし、目に見えないほど小さな粒子たちが、電気の力で引き寄せられたり、反発したりして、まるでダンスを踊るように動いているとしたら…?

今日は、そんな「もしも」の世界を鮮やかに、そして直感的に見せてくれる、素晴らしいシミュレーションをご紹介します。

卒業生が作った「目に見える」電気分解

これは、2024年度の卒業生である向さんが作成した、「粒子が電気を持っていたとしたら?」をテーマにしたシミュレーションモデルです。

このシミュレーションが特に威力を発揮するのが、中学校の理科で学ぶ「塩化銅の電気分解」です。 青色が美しい塩化銅(CuCl₂)水溶液は、実は水に溶けると、プラスの電気を持つ「銅イオン(Cu²⁺)」と、マイナスの電気を持つ「塩化物イオン(Cl⁻)」という、目に見えない粒子に分かれています。この電気を帯びた特別な粒子のことを、私たちは「イオン」と呼んでいます。

電気の力で粒子がダイナミックに動く!

普段はバラバラに漂っているだけのイオンたち。しかし、このシミュレーションで「電流を流す」スイッチを入れると、その様子は一変します。

マイナスの電気を持つ塩化物イオンはプラスの電極(陽極)へ、プラスの電気を持つ銅イオンはマイナスの電極(陰極)へ、まるで強力な磁石に吸い寄せられるように一斉に動き出します。

理科の実験では、電極に銅が付着したり、プールのような匂い(塩素の匂い)が発生したりすることでしか確認できない現象の「裏側」で、実はこんなダイナミックな粒子のドラマが繰り広げられていたのです。

このモデルは、塩化銅の電気分解の実験や考察を終えた後に見せると、「ああ、だからあの現象が起きたのか!」と、目に見えないミクロの世界の仕組みを深く理解する強力な手助けになるはずです。

向さんが作ってくれたこの素晴らしいシミュレーションで、ミクロの世界の不思議をぜひ体感してみてください。

こちらからご覧ください

そのほかにもMさんはプログラミングが得意で色々な作品を作ってくれました。

 

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