シャーペンの芯で塩化銅の電気分解!マイクロスケール実験で廃液を少なくSDGsな実験を

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。

塩化銅の電気分解を行いました。この実験、実はとっても面白いんです!今回は #マイクロプレート を使って「 #マイクロスケール実験 」を行いました。このマイクロスケール実験は、以前勤めていた学校でも取り入れていて、廃液を減らしながら環境にも配慮した方法なんです。小さなスケールで実験をすることで、無駄を少なくし、手軽に実験が楽しめるのが魅力です。

マイクロスケール実験についてもっと知りたい方は、こちらの論文をぜひチェックしてみてください。実験の詳細や、塩化銅水溶液の作り方についても丁寧にまとめられていますよ。

マイクロスケール実験については、詳しくこちらの論文で詳しくまとめられています

こちらが実際の実験の様子です。

塩化銅水溶液の作り方はこちらが参考になります。

【10%-塩化銅(Ⅱ)二水和物水溶液の調製法】

塩化銅(Ⅱ)二水和物 CuCl2・2H2O 式量=170.48

10%水溶液を調製する場合,水和水を除いて10gになる量をはかりとる。 CuCl2=63.5+35×2=133.5   2H2O=2×18=36 であるから,

よって,13gの塩化銅(Ⅱ)二水和物結晶に水を加えて100gにする。

また論文にもありますが、今回の実験の塩化銅の濃度は、低めでも可能です(3パーセントでも大丈夫です)。塩化銅水溶液ひとつのセルに4cm3取って実験を行うことにしました。四人班、10班編成で、1班分(4cm3)×10=40cm3です。4クラスあるので160cm3です。

比較ように1cm3も用意をしました(詳しくは下を参考にしてください)。塩化銅を6.5gとって、そこに蒸留水を入れて160gの水溶液としました。およそ3%の塩化銅水溶液です。下の写真はその倍作って1班で2つの実験を行うために用意しました。

実験方法についてですが、

1. セルに塩化銅(Ⅱ)二水和物水溶液を約4cm3入れる。

2. 炭素棒電極を挿入し(図2),5V直流電圧を印加する。

3. 陽極,陰極での変化を観察する。

4 陽極・陰極から発生したものについて調べる

と書かれています。私の場合はマイクロプレートと、太い2mmの芯のシャーペンの芯ででやってみました。

2mmの芯のシャーペンの芯

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発泡スチロールを3cm×5cmにカットして、電極となるシャーペンの芯を突き刺しました。ショート防止対策です。

発泡スチロールはなくても実験可能です。この時は形を八の字にして、絶対にくっつけるなと強く言いましょう。ショート防止です。

八の字がポイント

回路はこのような感じで、1つの電源装置から分岐させて、2つの電源をとりました。電圧は5Vです。

電極をとりつけて、電気分解を行っている様子です。

溶液をよく見てみると、陰極の方に何か物質が析出するのがわかります。

10分間くらい電圧をかけ続けると、次のように溶液が透明になりました。時間を短縮したい場合は9Vくらいで行いましょう。ショート注意!

塩素の確認には、上記の論文ではヨウ化カリウムデンプン紙でやっていましたが、今回は生徒におまかせをしました。ろ紙に水性インク(赤)をたらして、それを電極の上におくなどをして、脱色反応を確認している班、またろ紙に水性インクをたらして、塩化銅の溶液に入れてすぐに出して確かめている班、また塩化銅溶液のとなりに水をいれたセルを用意して、水性インクをたらしている班など様々です。

水性のインクをたらして確かめる方法の他に、蛍光ペンでもうまくいくということを聞いて、さっそく試してみたところ、緑の蛍光ペンだと脱色が見やすいことがわかりました。

銅に関しては、ろ紙の上においてスプーンでこすり金属光沢をみたり、その色をみたり、またはガスバーナーをつかって塩化銅水溶液や銅の炎色反応を見ている班がありました。

いろいろな発見のある実験ですね。

マイクロスケール実験については、こちらの本も買ってみました。

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