種子のモデルを作って飛ばしてみよう!風に乗って旅をする!植物の天才的なアイデア(マツ・ニワウルシ・アルソミトラ)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

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突然ですが、想像してみてください。もしあなたが一生その場所から動けないとしたら、自分の子供たちをどうやって遠くの広い世界へ送り出しますか?実は、私たちの身近に生えている植物たちは、まさにその難問に挑み続けている「小さな発明家」なのです。自分自身は地面に根を張り、歩くことも飛ぶこともできません。しかし、その子供である「種子」には、驚くべき飛行メカニズムを搭載させて、新天地へと旅立たせています。

その姿は、まるで天才科学者が設計したミニチュアの飛行機やヘリコプターのよう!今回は、そんな植物たちの知恵を学び、身近な材料でその動きを再現するワクワクいっぱいのワークショップをご紹介します。

植物たちの「飛行学校」へようこそ!

植物が種子を遠くに飛ばすのには、切実な理由があります。5月ころ、公園でシナサワグルミの実を発見しました。

特徴的な形をしており、一つの果実に羽が2枚ついています。もし種子が親のすぐ下に落ちてしまったら、光や栄養を奪い合って共倒れになってしまうからです。そこで彼らが進化の過程で手に入れたのが、風の力を最大限に利用する「風散布(かぜさんぷ) (anemochory)」という戦略です。今回の主役たちは、こちらの方々です!

ニワウルシ:プロペラのような形で、クルクルと回転しながら横に流れていきます。

メグスリノキ(カエデの仲間):二枚の羽が絶妙な角度でついており、ヘリコプターのように回転して滞空時間を稼ぎます。

マツ:薄い片翼を持っていて、これまた鮮やかに舞い落ちます。

アルソミトラ:グライダーのような羽を持っており、遠くまで風に乗って飛びます。

ラワン:タケコプターのように回転して落ちて行きます。

彼らの「飛行パフォーマンス」をよく観察すると、空気の抵抗を計算し尽くしたかのような、美しいデザインに驚かされるはずです。「どうしてあんなに上手に飛べるんだろう?」という疑問を解決する一番の近道は、自分で作ってみることです!本物の種子の形を真似た模型を作ると、自然のデザインがいかに合理的かがよく分かります。

用意するもの

折り紙(好きな色でOK!)

ハサミ

テープのり(またはセロハンテープ)

クリップ(重りとして使います)

1. マツ・カエデ・メグスリノキ・モミジの種子モデル

こちらは私がとった松の種子の写真です。

こちらはモミジの種子の様子です。

マツの種子は、小さな羽のようなものがついています。カエデやメグスリノキの種子も、風を受けてくるくる回る独特な形をしています。本物のマツの種子が飛ぶ様子をこちらの動画でぜひ見てみてくださいね。 → マツの種子の飛び方

【折り方】

  1. まず、折り紙を半分に切って、15cm×7.5cmの長方形を作ります。
  2. その長方形を、さらに幅2.5cmで切って、7.5cm×2.5cmの細長い長方形にします。
  3. 図のように、長方形を対角線に沿って折り曲げます。

  1. 最後に、1cmほど折り返して、クリップでとめれば完成です。 飛び方の詳しい動画はこちらからどうぞ! → マツ・カエデ・メグスリノキの種子モデルの折り方

2. ニワウルシの種子モデル

wikiより「ニワウルシ」

ニワウルシの種子は、薄くて平たい円盤状の羽を持っています。まるで小さなUFOみたいにヒラヒラと舞いながら落ちていきます。本物の種子が風で飛んでいく様子は、こちらの動画の19秒からご覧いただけます。 → ニワウルシの種子の飛び方

【折り方】

  1. 折り紙を幅1.5cmに切って、15cm×1.5cmの細長い長方形にします。
  2. この長方形を半分に折り、中央にテープのりをつけます。
  3. 両端を中央で貼り合わせれば、ニワウルシの種子モデルの完成です。

3. アルソミトラの種子モデル

植物界の「空飛ぶ宝石」とも言われるのが、アルソミトラの種子です。その形は、まるで滑空するグライダー!

種子自体が非常に軽いため、風に乗って数十メートルも飛んでいくことができるんです。その驚きの滑空を、ぜひ動画でご覧ください。 → アルソミトラの種子の飛び方

アルソミトラの種子モデルは、紙飛行機のグライダーを折ると、本物そっくりに飛んでくれます。

それはまるで、ジブリ映画『風の谷のナウシカ』に出てくる、主人公が乗っている乗り物「メーヴェ」のようでした。このグライダー作りで一番大切なポイントは、折り紙を「三角形」に切ることです。

【作り方】

折り紙グライダーの作り方はこちらの動画で詳しく紹介しています。ぜひ動画を見ながら、一緒に挑戦してみてくださいね!

ポイントは折り紙を三角形に切ることです。ぜひ折ってみてくださいね。さあ、みんなで「空飛ぶ宝石」のひみつを探ってみましょう!

これらの種子モデルをぜひ作って、外で飛ばしてみてください。どうしてこんな形をしているのか、どうして風に乗りやすいのか、植物たちのひみつに一歩近づけるはずです。

 

4.ラワンのモデル

子供の自由研究でフタバガキの種(ラワンのたね)の落下時間の変化いついて調べる実験を行いました。たんぽぽの種の綿毛に興味を持っていたので、こんな実もあるんだよ?と見せたところ興味を持ち始めました。このような形をしています。

手を離すとこのように飛んでいきます。

回転してまるでヘリコプターのようですね。実際にこの種のモデルをスーパーボールと厚紙で作りました。

手元にあったラワンの実は5.5gで、手作りのモデルは6.0gと、重さはほとんど同じです。羽の長さは10.8cmで同じ長さに揃えました。

5m66cmの高さから落としてみると、モデルのたねはくるくると回って落ちていきました。

この落下時間を確かめます。モデルの種を三回同じ高さから落としてみました。すると、

1.66s、1.31s、1.21s 平均は1.39s

という結果になりました。次に羽を取って落としてみると、

1.08s,1.24s,1.19s 平均は1.17s

となり、羽があることによって落下時間が長くなっているのが分かります。

次に羽の長さを変えて同じように落としてみました。一つは羽の長さを2倍にしたもの、もう一つは羽の長さを半分にしたものです。

羽の長さが2倍のものは、

1.39,1.04,1.08 で平均が1.17s

羽の長さが半分のものは

0.96,1.31,1.14で平均は1.13s

です。どちらも様子を見ると、回転をしていないもしくは通常の長さのものよりも回転数が少ないのが特徴でした。

これらのことを子供がどうまとめていくのか分かりませんが、フタバガキの羽は回転にちょうど良い長さになっていることが伺えます。

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