10万ボルトを体感!静電気発生装置で驚きの放電現象(バンデグラフ)

ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。

静電気発生装置!バンデグラフ!

ピカチュウの必殺技「10万ボルト」⚡は有名ですが、実はナリカ製の 静電気発生装置(バンデグラフ) の電圧は 最大15万ボルト!つまり、ピカチュウを超えています!そんなバンデグラフを動かしながら手を近づけてみると、なんと 10cmほど離れた位置から放電する様子が観察できます。その様子を動画におさめたので、ぜひご覧ください。

 この実験は、広瀬すずさんとテレビ番組にて行った実験の1つです。広瀬すずさんがバンデグラフに手を近づけています。手の甲を向けたほうがいいと広瀬さんに伝えて、放電の様子を体験してもらいました。詳しくはこちらをどうぞ

スイッチを切ろうとしたら…もっとすごいものが!?

放電の瞬間、バンデグラフにたまった マイナスの電気 が手を通って足へと流れ、ピリッとした痛みを感じます。なぜ痛いのか?それは 電気が神経を通ると筋肉が収縮 するためです。この時、ビクッと手が動き、不快感を覚えるのです。

実際に捉えてみたら、このような感じです。

その後、スイッチを切ろうとしたら、びりっと激しい感覚が!なんとスイッチの方にも溜まっていたようです、、、。とほほ。

ピカチュウの10万ボルトはどのくらいの距離で放電する?

大体ですが、空気中を1cm程度放電をするときに、1〜3万ボルトの電圧が働いています。バンデグラフの様子を見てみると、15万ボルトの電圧でも大体 約5cm 程度でしょうか。

(空気放電の場合、1cmの火花放電でおよそ3万Vと言われているので、5cmとすると、15万Vくらいとなります。)

ほとんどアニメのように相手の方に飛んでいくということおはありませんね。ピカチュウの技が現実の物理法則に従うとしたら、敵にかなり接近しないと攻撃が当たらないかもしれません。

これだったら、相手に向かってパンチをした方が早いかもしれませんね。

ただし、電流の大きさ も重要な要素です。電圧が高くても、電流が小さければダメージは少なくなります。逆に 電流が大きければ危険度が増す ため、ピカチュウの技で、どの程度の電流が相手に流れたか?も気になるところですね。

火花放電と雷の不思議

火花放電は、 #誘導コイル をつかって継続的に観察することができます。

バンデグラフを使った 火花放電 は 1mあたり、300万V/m の電場(1cmあたり3万V)で発生すると言われていますが、自然界の雷は 20万V/m (1cmあたり0.2万V)ほどの電場で発生すると言われています。なぜ雷はこんなに 低い電場 でも放電できるのでしょうか?

実は、まだはっきりした答えはありません。しかし、宇宙線が空気の分子をイオン化することで、雷の放電が起こりやすくなっているのではないか という説があります。

雷のエネルギーはどれくらい?

Wikipediaによると、落雷時の 電圧は200万~10億ボルト、電流は 1千~50万アンペア にもなるそうです。ピカチュウの10万ボルトとは比べものにならないほどのエネルギーですね!

雷のしくみや、放電の不思議について、もっと詳しく知りたくなったら 「静電気」や「雷の発生メカニズム」 を調べてみるのも面白いですよ!

静電気発生マシーン(バンデグラフ)を使うと、こんな面白い実験が!!

バンデグラフを使った面白実験も公開しています。この実験は、広瀬すずさん・鈴木亮平さん・やす子さん・チョコレートプラネッツの長田さん・松尾さん等とテレビ番組にて行った実験も含まれます。詳しくはこちらをどうぞ

※ なお、静電気発生装置(バンデグラフ)を用いた実験については、必ず専門家の方の立ち合いのもと行ってください。お気をつけてお試しください。また静電気実験に関するご依頼(実験教室やTV監修・出演等)についてはこちらからお願いします

【特集】やめられなくなる!静電気実験

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