【科学監修】なぜ靴にホチキスを刺すと静電気がなくなる?テレビで話題の「バチッ!」解消裏ワザ「凍った悩みを60秒で瞬間回答!」

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

冬の風物詩といえば、何を思い浮かべますか?イルミネーション、温かい鍋、そして…あの恐怖の「バチッ!」。そう、静電気です。セーターを脱いだ瞬間、車のドアに手をかけた時、そして何気なくドアノブに触れた時。予期せぬ一撃に、思わず声が出てしまうこともありますよね。この冬の小さな悩みを、家にある”あるモノ”で簡単に解決できるとしたら、試してみたくありませんか?

テレビで紹介!靴にホチキスで静電気対策!?

実は先日、この驚きの裏ワザをテレビ番組でご紹介しました。2025年1月3日に放送された 「凍った悩みを60秒で瞬間回答!チーンと超速ベストアンサー▼明日使える裏技連発」 (フジテレビ)で、「静電気を溜まりにくくする方法」の監修を担当させていただいたのです。

その方法とは、なんと…
「ホチキスの針を靴底に刺す」というもの!

「えっ、そんなことで?」と驚かれたかもしれません。実は以前、番組から依頼を受けて検証した方法なのですが、その科学的な仕組みを知ると、きっと「なるほど!」と膝を打ちたくなるはずです。

なぜ効くの?静電気と「アース」の科学

そもそも、なぜ冬になると静電気は起きやすいのでしょうか?それは「乾燥」が大きく関係しています。空気中に水分が多いと、電気は自然に空気中に逃げていきます。しかし、空気が乾燥する冬は、電気の逃げ道がなくなり、私たちの体にどんどん溜まってしまうのです。

歩いたり、服が擦れたりする摩擦で体に溜まった電気が、ドアノブのような金属に触れた瞬間、一気に流れ込もうとして起こるのが「バチッ!」という放電。いわば、指先で起こる小さな雷です。

ここでポイントになるのが靴底。普段私たちが履いている靴の多くは、電気を通さないゴムでできています。これは感電を防ぐ上では安全ですが、静電気にとっては、電気を体に閉じ込めてしまう「フタ」のような役割を果たしてしまうのです。

そこで、ホチキスの針の出番です。電気を通しやすい金属の針を靴底に刺すことで、体に溜まった電気が、針を通って地面へと常に少しずつ逃げていく道(アース)を作ってあげることができます。ドアノブに触れる前に体から電気が抜けていくので、あの痛い一撃を防ぐことができる、というわけです。以前の検証の様子はこちらの記事でも詳しく解説しています。

靴底にホチキス⁉ 静電気を撃退する科学の裏技を検証!

実際に試してみたら…驚きの結果が!

この仕組み、実際に試してみると本当に効果てきめんでした。ゴム底の靴にホチキスの針を数発打ち込むだけで、体に溜まる静電気が明らかに減り、あの「バチッ!」が劇的に軽減されたのです!

特別な道具も手間もほとんどかからない、まさに目からウロコの裏ワザ。静電気に悩まされている方は、一度試してみる価値アリですよ!

試す前に知っておきたい、たった一つの注意点

ただし、この方法を試す際には一つだけ注意点があります。それは雨の日です。靴底に針で穴を開けることになるので、当然ながら水が染み込みやすくなる可能性があります。大切な靴や、雨の日に履く予定の靴で試すのは避けた方が良いでしょう。

この小さな注意点さえ守れば、冬の憂鬱が一つ解消されるかもしれません。ぜひこの裏ワザを試して、快適な冬を過ごしてください。もし試されたら、SNSなどで結果を教えてもらえると嬉しいです!

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