ボウリングの球は沈む?浮く?あなたの常識を覆す!浮沈で学ぶ「浮力の科学」

桑子研
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ボールの浮沈チャレンジ!

今回用意したのは、ゴルフボールラクロスのボール軟式野球のボール、そしてボウリングのボールの4種類です。さあ、この中で水に浮くボールはどれだと思いますか? 頭の中で予想してみてください。シンキングタイム、スタート!!

答えは…実際に試してみた結果が、こちらの映像です。

なんと、水に浮いたのは、軟式野球のボールボーリングのボールでした! 予想は当たりましたか?

「え、ボーリングのボールってあんなに重いのに浮くの!?」と、驚きの声が聞こえてきそうですね。まさに、この「重いのに浮く」という現象こそが、この実験の面白いポイントなんです。私たちの直感に反するこの結果は、「重さ」と「浮くか沈むか」の関係性が、実はもっと奥深いことを教えてくれます。

※ なおこの実践いついては、O先生から教えていただきまいた。わざわざボウリングの球を手に入れて実践をしていまして、驚きました。

「重さ」だけじゃない!浮力の秘密

ボーリングのボールを使うという点がミソなんです。実は、ボーリングのボールには「ポンド」という重さの単位がありますが、ポンドによって浮くボールと浮かないボールがあるんですよ。同じボーリングのボールでも、重さや、その重さに対する体積が異なると、浮力が変わってくるんですね。

ボウリングのボールは、見た目の大きさはほとんど同じなのに、重さ(ポンド)が大きく異なりますよね。これは、球の内部の素材の密度を変えることで、重さを調整しているからです。

ボウリングボールは、直径がおよそ21.8cm(円周約68.6cm)と決まっています。このため、ボールの「体積」は、どのポンドのボールでもほぼ一定になります。以下の表では、一般的なポンドのボウリングボールについて、その質量と、そこから計算される密度を比較しています。

ボウリング球のポンド別 質量・体積・密度比較表

ポンド 質量 (kg) 体積 (cm³) 密度 (g/cm³)
6 約 2.72 約 5425 約 0.50
8 約 3.63 約 5425 約 0.67
10 約 4.54 約 5425 約 0.84
12 約 5.44 約 5425 約 1.00
14 約 6.35 約 5425 約 1.17
15 約 6.80 約 5425 約 1.25
16 約 7.26 約 5425 約 1.34
この現象を理解する鍵は、ずばり「密度」「浮力」です。物体が水に浮くか沈むかは、その物体の重さだけでなく、「密度」によって決まります。密度とは、体積あたりの質量(重さ)のこと。つまり、「ぎゅっと詰まっているか、スカスカか」の度合いを表します。水より密度が小さければ浮き、水より密度が大きければ沈むのです。

ボーリングのボールは、見た目は重そうですが、内部に空洞があったり、素材の配合が工夫されていたりして、意外と水よりも密度が小さいものがある、というわけです。一方で、ゴルフボールやラクロスのボールは、小さいですが中身がぎっしり詰まっていて、水よりも密度が大きいので沈みます。

このように、身近な材料で実験を大規模にするだけで、とっても面白くて興味深い科学の発見があるのが面白いところです。皆さんもぜひ、身の回りのもので「浮くかな?沈むかな?」を試してみてください。そこには、きっと新たな発見が待っていますよ!

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