氷はなぜ水に浮くの?名探偵コナンにも登場した浮力の不思議【理科】
ある体積Vの物体にはたらく重力は、その物体の密度をρとすると、ρVgとなります。この物体を完全に水(密度ρ’)に沈めたとき、この物体にはたらく浮力はアルキメデスの原理から、ρ’Vgとなります。よってこの物体が手を話したときに浮くのか、沈むのかについては、物体の密度が水よりも大きいと沈みますし、小さいと浮きます。
つまり物体が浮くか沈むのかは密度差がポイントです。
水の固体、氷は普通の物質とは異なり、固体のほうが密度が小さくなります(体積が大きくなります。よく製氷皿などが盛り上がりますよね)。水の密度は0℃で0.9998g/cm3、氷の密度は0℃で0.9168g/cm3です。
ですから、水の中に氷をいれると、氷は密度が水よりも小さいので浮きます。
密度差を使うと、マジックのようなことができます。たとえば次の水槽の中には、水風船がはいっています。水風船の中には小さなおもりを入れてあり、風船の底が水槽のそこについています。この状態にして、魔法の水を少しずつ加えていきます。すると・・・。
あらあら不思議!風船が浮いてきました。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか?実は魔法の水の中には大量の砂糖がとけており、水よりも密度の高い砂糖水を入れていました。そのためまわりの液体の密度が大きくなり、浮いたというわけです。
水の中に沈めた卵で、この実験を行う方法もあります。卵のほうが良い所は、身近に感じるところです。たいして風船のほうがいいところは、はじめの状態で、内側と外側の密度がほぼおなじになっていることがわかり、密度差をつけたことで浮くのが、わかるということです。
生徒の前で見せているのですが、反応が大きくて、良い実験の一つかなと思っています。死海にいって、みんなで入ってみるのが一番だとは思いますけどね!
またこちらは別件なのですが、
名探偵コナンの中に、浮力をつかったトリックのようなものが出てきます。
コンナがあるとき山荘にいき、そこで殺人事件がおきます(82巻〜83巻)。
お風呂の水の中で沈んでいたトマトが、あることをすると、瞬間的に浮き上がってくるものというものがありました。漫画の中では入浴剤を入れていました(トリックの解説では塩をつかっていました)。とにかくトマトとまわりの液体の間で密度差をつけてあげて、まわりの液体のほうが密度が高くなると、物体はういてくるのですね。
引用:『名探偵コナン』(小学館)青山剛昌 83巻より
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