【科学監修】液体洗剤が最強保冷剤になる科学的ワケを理科教師が徹底解説!「THE突破ファイル」

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験!

夏のお弁当、キンキンに冷やしたいけど、ちょうどいい保冷剤がない…!そんな時、家にある「アレ」が最強の保冷剤に大変身することをご存知ですか?実はそれ、毎日使っている液体洗剤なんです!

「え、洗剤が凍るの?」「ただの氷と何が違うの?」

そんな声が聞こえてきそうですね。この驚きのライフハックには、中学校の理科で学ぶ、とっても面白い科学の原理が隠されています。

実はこの話題、2025年6月26日に放送された「THE突破ファイル」(日本テレビ)で取り上げられ、僭越ながら私が科学監修を務めさせていただきました。液体洗剤を固めて保冷剤として活用するという、まさに目からウロコのアイデア。番組の最後のテロップでも名前をご紹介いただきました。

なぜ液体洗剤が保冷剤になるの?理科の知識で解き明かそう!

さて、ここからが科学の時間です。なぜ、ただの水を凍らせるより、液体洗剤を凍らせた方が保冷剤として優秀なのでしょうか?

ポイントは、物質が凍る温度、「凝固点(ぎょうこてん)」にあります。純粋な水は0℃で凍りますが、水に何かが溶けていると、0℃よりも低い温度でないと凍らない「凝固点降下(ぎょうこてんこうか)」という現象が起こります。

皆さんが大好きなジュースや、しょっぱい海水が0℃になってもすぐには凍らないのと同じ原理です。液体洗剤には、汚れを落とすための様々な化学物質(界面活性剤など)が溶け込んでいます。この洗剤の成分たちが、水分子がくっついて氷になろうとするのを「ちょっと待った!」と邪魔をするイメージですね。

そのため、家庭用の冷凍庫(約-18℃)に入れてもカチコチの氷にはならず、少し柔らかいシャーベット状になります。これが、容器にぴったりフィットし、効率よく食品を冷やしてくれる秘密の一つです。

さらに、この「0℃より低い温度で溶ける」という性質が、保冷効果を長持ちさせることにも繋がります。実はこの「凝固点降下」は、雪国で道路にまく凍結防止剤にも応用されている、私たちの生活を支える大切な科学知識なのです。

番組で紹介されたライフハックの詳しい内容や、ご家庭で試す際の注意点などは、こちらの記事にまとめましたので、ぜひご覧ください。夏休みの自由研究のテーマとしても面白いかもしれませんよ!

ただの氷と何が違う?ゲル状保冷剤の「なるほど!」な仕組みを徹底解説!

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