【鏡で食べかけのケーキが復元!?】中学生が夢中になるカードミラー実験のススメ

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

鏡の単元を教えるとき、毎年感じるのが「どうやってこの面白さを実感させるか」ということです。鏡に映る“像”の位置や個数、向きなどは、言葉や図で説明してもピンとこない生徒が多いもの。そんなときに、思わず「おおっ」と声が上がる実験があると、授業全体がグッと盛り上がります。

今回紹介するのは、ダイソーで売っていたカード型ミラーを使った、とても手軽で効果的な実験です。準備も簡単で、生徒が一人ひとり実際に手を動かして確認できるのが魅力です。実験に使用したシートは、子どもが地域の科学教室で持ち帰ってきたものですが、あまりに秀逸だったので理科の授業にも採用してみました。

ケーキのイラストが4分の1カットになっていて、これを鏡2枚の間に置くと、まるでホールケーキがそこにあるかのように見えるという仕掛けです。左右対称や角度による像の個数の変化を楽しく実感できる構造になっています。

授業準備と実験手順

準備するもの:
• カード型ミラー(ダイソーなどで入手可能、生徒数分)
• 実験用イラストシート(4分の1カットのケーキや星形など対称性のある図形がおすすめ)
• 厚紙や台紙(鏡を立てやすくするため)

手順:
1. 4分の1ケーキのイラストを印刷し、各自の机に配布します。

2. カードミラーを2枚使い、イラストの角に90度の角度で立てます(ちょうど扇型のように)。

3. 鏡の間からのぞくと、鏡の中にケーキの像が現れ、ホールケーキのように見えます。

4. 角度を変えていくと、見える像の個数が変わっていくのを確認できます(例:60度で6個、45度で8個など)。

理科的な理解につなげるポイント

• 像の個数は、鏡の間の角度によって変化する。360°をその角度で割ると、理論上の像の個数が求められる。
• 対称性(線対称・点対称)の理解にもつながる。特にケーキや星型のような図形は、対称軸がイメージしやすく、観察後の振り返りに最適。
• 実際に像が“増える”ように見える不思議さが、生徒の興味を引き、自然と問いが生まれる。

授業の中盤や導入としても使いやすく、発展的に「鏡の角度と像の数の関係」をグラフにまとめさせる活動にもつなげられます。何より、誰もが「わあ、面白い!」と感じる視覚的なインパクトがあるので、理科の“楽しい”を体験させるにはもってこいの実験です。

なお科学技術館にいったときに、このような装置があって面白かったです。鏡2枚をつかって、像を増やすことができるというものでした。

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