色々な水溶液に電流が流れるかどうかを確かめる実験

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。

色々な水溶液に電流が流れるかどうかを確かめる実験を行いました。使ったのは次の水溶液および固体です。

①精製水H2O  ②食塩水NaCl aq  ③砂糖水(ショ糖水溶液)C12H22O11aq  ④塩酸HCl aq

⑤エタノールC2H6O aq  ⑥水酸化ナトリウム水溶液NaOH aq  ⑦食塩の固体NaCl  ⑧砂糖の固体C12H22O11

これらをビーカーに用意をして、生徒はセルプレートにそれぞれの溶液を入れて、電流が流れるかどうかを調べます。

なお食塩と塩の固体については、セルプレートには入れずに、そのまま容器に突っ込んで、電流が流れるかどうかを調べました。電圧は5Vで、ステンレス電極を使います。電流計はプチメーターも用意したのですが、アナログのものを使ったほうが、微妙に流れる時があまりわからずいいのかも?しれません。

生徒は中学2年を経て、久しぶりに電源装置や電流計を使うので、もう一度説明を少しした方が安全であるなと感じています。実際に、塩酸に入れた時の様子は次のようになります(演示でビーカーを使って実際に行った様子です)

流れる電流を調べると1.13Aでした。結構流れますね。次の動画を見るとわかるように、片方の電極から泡がたくさん出てきます。

なお観察後は電極を出すという必要があります。というのも、塩酸の場合は塩素が発生して水に溶け出し塩素臭がします。また塩素水となり色が変化します。また食塩水の場合はステンレス電極が溶け出して、水溶液の色が変化してしまいます。こちらが塩酸、黄色や緑色になります。

電気分解後の食塩水。オレンジ色の沈殿物ができます。

長く時間を流しておくとこのようにはっきりと色が出てきます。左が塩酸、右が食塩水。

塩酸と食塩水の電気分解後に溶液の色が変わる理由

あるものでは流れない・流れると、それぞれ生徒が判断する場合があります。そんな時は、量の問題があるので、全体でデータを共有すると、検討がしやすくなるかなと思います。その際に利用したのがこちらのスプレットシートです。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1C4IX9PFrmYf25vQEqTaYB7YFqAP46IP1pqmbS8mzyzw/edit?usp=sharing

コピーして利用してみてください。こちらはその一例ですが、

表にまとめると精製水は流れにくい、砂糖水も流れにくい、エタノールも流れにくい、食塩・砂糖は流れないことがわかります。対して、食塩水・塩酸・水酸化ナトリウムが流れるということがわかりますね。

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