太陽がボールなら地球は豆粒!?教室で宇宙の広さを体感する方法
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
もし、あの灼熱の太陽が、あなたの部屋にあるバランスボールくらいの大きさになったとしたら…私たちが住むこの地球は、一体どのくらいの大きさになると思いますか? 指先でつまめるビー玉くらい? それとも、パチンコ玉くらいでしょうか?この壮大な宇宙のスケール感を、たった一つの展示物で誰もが実感できるようにした、私たちの部活動での素敵なストーリーをご紹介します。
太陽がバランスボールなら、地球はなんと「ビーズ玉」!
先日、部活動の展示で特に好評だったのが、この「太陽系のスケールがまるわかりになる」展示です。
実際の太陽の直径は約139万km、対して地球の直径は約1万2700km。計算すると、太陽の直径は地球の約109倍にもなります。これを、直径約65cmのバランスボールを太陽に見立てて縮尺を計算していくと…なんと地球は、直径わずか6mmほどの小さなビーズ玉になってしまうのです!
クイズに答えた参加者の皆さんは、答えを知ると「え、こんなに小さいの!?」と、一様に目を丸くしていました。教科書で数字だけを見ていても決して味わえない、この「実感」こそが科学の面白さの入り口なんですね。
生徒たちの手で、アイデアが「最高の学び」に変わった瞬間
実はこの展示、もともとは私が研修会である先生から教えていただいたアイデアでした。その面白さを生徒たちに伝えたところ、彼らの目がキラリと輝いたのです。
「自分たちでやってみたい!」
その一言から、プロジェクトは始まりました。生徒たちは自らバランスボールを用意し、各惑星の直径を調べ、縮尺計算を行いました。木星ならビー玉サイズ、火星はゴマ粒くらい…と、次々と太陽系の仲間たちの「本当の姿」を明らかにしていったのです。
さらに彼らは、ただ模型を並べるだけでは面白くないと考えました。それぞれの惑星の特徴を調べ上げてポスターにまとめ、来場者がワクワクしながら学べるように「クイズ形式」の展示へと昇華させたのです。教えられたアイデアが、生徒たちの手によって、参加者の「発見の喜び」を生み出す最高の展示物へと進化した瞬間でした。
「わかっている」と「実感できる」は全く違う!
数字の上では、惑星の大きさや太陽系がいかに広大かを知っている人は多いかもしれません。しかし、自分の手でバランスボールを太陽として置き、そこから小さなビーズ玉の地球を眺めてみると…そのとてつもないスケール感が、知識ではなく「感動」として心に飛び込んできます。
ちなみに、この縮尺で太陽(バランスボール)から地球(ビーズ玉)までの距離を計算すると、約70mにもなります。学校の25mプール約3つ分! こんなにも離れた場所から、あの小さな地球を照らし、生命を育んでいる太陽の偉大さを、改めて感じずにはいられません。皆さんもぜひ、身近なボールとビーズを使って、ご家庭や学校で試してみてください。頭ではわかっていても、実際にやってみると、宇宙を見る目がきっと変わるはずですよ!
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