「ケーキみたいな地層」をつくろう!土・砂・ゼオライトで楽しむ地層観察実験
地学分野に入ると、生徒たちの中で「地層って何?」という素朴な疑問がわき始めます。教科書の図や写真を見せても、「ホントにこんなふうに重なるの?」「泥と砂ってどう違うの?」とピンとこない様子。
そこで、実際に自分の手で“地層をつくって観察する”実験をやってみることにしました。
「れき・砂・泥で地層をつくる」をモデル化しました。色の違う材料を使うことで、視覚的に楽しい・美しい地層を再現できるます。「なんだかケーキみたい!」「この模様どうしてこうなるの?」と生徒の目が輝いた瞬間、「よし、勝った」と思いました(笑)。
■ 用意するもの
材料・器具 |
備考 |
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川砂 |
れき・砂の代用(あかぎシリーズなど) |
黒土 |
泥の代用(園芸用などでOK) |
カラーゼオライト(小粒・紅) |
れきの代用。100円ショップで入手可能。色がはっきりして見栄え◎ |
試験管(Φ18) |
1人または1班につき1本。プラ製でもOK |
試験管立て |
試験管を静置するために使用 |
プラコップ |
材料の混合や計量に使う。シャーレの代わりに使用 |
プレート容器 |
混ぜるための作業スペース用 |
薬さじ |
材料の計量に使用(山盛り1杯=おおよそ小さじ1杯程度) |
ゼオライト
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川砂
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土は黒土というものをつかました。
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■ 実験1:地層をつくってみよう
① プラコップに土を薬さじで山盛り2杯とる。同じように、川砂を2杯とる。プレート容器の中に入れて、薬さじをつかってよくかき混ぜる。
② 薬さじで試験管の中に、①のまざったものを大さじで3杯とる。
③ ②の試験管の7割程度まで水を入れる。
④ 親指で蓋をしながら、よく試験管をふって水とまぜてから、親指でおさえたまま試験管を一度逆さまにして、その後もとに戻してからすばやく試験管たておき、しばらく様子を見る。
⑤ スケッチをして、なぜそのようになったのか考える。実際に実験1をやってみると、次のようになります。
れき・砂・泥の順番に層ができますね。生徒のスケッチの様子です。
■ 実験2:地層の重なりを再現しよう
⑥ ⑤の試験管に、さらに②を薬さじ2杯入れる。しばらくまってから、また薬さじ2杯入れる。
⑦ スケッチをして、地層がどのようにしてできるのかを考える。
実験2については、次のようになります。
カラーゼオライトを使わなくても、砂と土だけでもこのようにうまくいきます。
■ 教師の感想&授業活用のヒント
• ゼオライトの赤色がよく映えて、生徒のスケッチ意欲がぐっと上がる。
• 各班で振り方や注ぐ順番が違うことで、模様にも違いが出て、生徒同士で「どうして?」「うちと違う!」と盛り上がります。
• スケッチの精度がどんどん上がるので、観察力の育成にも効果大。
• 観察後に**「なぜそのように分かれたか」**を発表させると、粒子の大きさ・比重・水の作用などが自然と出てきて、理科の知識が自分の言葉になる瞬間が見られます。
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