「どこでもドアは作れるのか?」科学でドラえもんの夢を語る多田将先生の特別講演!

ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。

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多田将先生と語る!ドラえもんの道具は実現可能か?~科学のロマンを語り尽くす特別イベント~

以前勤務校に多田将先生をお呼びして特別講演会「多田将先生と語る!ドラえもんの道具は実現可能か?」を開催しました。その様子をご紹介します!

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多田先生は、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所の准教授であり、金髪ロングヘアというインパクト抜群の外見と、親しみやすさ満点の話しぶりで大人気の研究者です。宇宙や素粒子の研究をされている先生ですが、今回は生徒たちの「ドラえもん愛」にお応えして、科学の視点から「あの道具って本当に実現できるの?」を語っていただきました!

前回のおさらい:「タイムマシン」は可能?

どこでもドアも夢じゃない?ブラックホールとSFの世界を多田将先生が科学で紐解く!

第1回目のテーマは「タイムマシン」!相対性理論を駆使して、未来へのタイムトラベルは可能性があるけれど、過去に戻るのは無理という結論に。「人間は前を向いて生きていくべきだ」という先生の言葉に、生徒たちも感動していました。詳しくはこちらのレポートをご覧くださいね!(こちらからどうぞ)

今回のテーマ:「どこでもドア」は作れるの?

ドラえもん道具の中でも大人気の「どこでもドア」。今回は、その実現可能性をブラックホールやワームホールという壮大な宇宙の話とともに探りました。

トランポリンでわかる「重力」と「空間の歪み」

多田先生が持参したのは、なんと携帯トランポリン生徒がトランポリンの上に立つと、トランポリンがぐっと歪む…。これが空間の歪みに例えられ、歪んだ空間が重力を生み出すという説明を体感できるユニークな実験でした。

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生徒がトランポリンにのると、トランポリンは歪みます。この歪みが空間の歪みに相当し、歪みがうまれると、パチンコ球はその歪みによって落ちていってしまいます。

これが空間が歪んだことによって、重力がうまれたということの説明です。このためにわざわざ先生は、トランポリンをもって学校にきてくれました。

ブラックホールと「どこかドア」の可能性

「ブラックホールとホワイトホールがワームホールでつながっていれば、どこでもドアは可能かも!」というチャレンジングなアイデアも飛び出しました。とはいえ、

•「どこにつながるか分からない」という「どこかドア」問題

•重力が強すぎて通り抜けられない現実的な壁

など、課題も多いとのこと。それでも宇宙の仕組みを科学的に解明していくお話に、生徒たちは釘付けでした。

結論としては未来行きのタイムマシーンは実現可能だけれども、過去に戻ることは決して出来ないという、なんとも面白い結論でした。多田先生の

「人間は前を向いて生きていかなければいけない」

という言葉にも、参加した生徒は感動したようです。また

「人生に近道はない。目的に進むまでの過程を大切にしよう」( ・´ー・`)

ということを、先生の言葉で生徒へ伝えていました。

生徒たちからの感想

•「ブラックホールの話が特に面白かった!」

•「どこでもドアが科学的にどうして難しいのか、よく分かりました。」

•「普段とは違う視点で宇宙を考えられて、すごく刺激的でした!」

生徒から、「アニオタですか?」「なんで金髪なんですか?」「好きの気持ちが冷めないようにするためには、頻繁にあえばいいんですか?」などなど、ちょっと失礼な質問に対しても、すごくまじめに、もすばやく解答をしていました。こちらの本も併せてどうぞ。

物理学者が暗記パンの非効率さについて語る!多田将先生とドラえもん

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