物理学者が暗記パンの非効率さについて語る!多田将先生とドラえもん
暗記パンは非効率!?科学者が解き明かすドラえもんの秘密道具の真実
素粒子物理学者であり、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構の准教授でもある多田将先生と知り合いになって、何度が学校に来てもらったことがあります。
「暗記パン、欲しいなぁ…」と思ったこと、ありませんか?ドラえもんの人気道具の一つですが、もし実現できたらどうなるのか?多田将先生による講演シリーズ「ドラえもんの道具は実現可能か?」最終回で、このテーマが取り上げられました!
暗記パンの意外な欠点
暗記パン、科学的に考えると「非効率」とのこと。その理由を簡単にご紹介します:
1.人間は電気信号で情報を認識している
網膜や耳などの感覚器官で得た情報は、電気信号に変換されて脳に届きます。ここで大切なのが、「電気信号を使って脳は認識をしている」ということ。でも、暗記パンの場合、パンに数式など、おぼえたいものをつけて、パンを胃や腸で消化してから、情報を脳に送る…?回りくどすぎる!
まずは胃や腸にパンがいって、そしてアミノ酸など、栄養物質にパンの数式の情報が置き換わり、この栄養素を一度電気信号に変える装置を通して脳に運ばなければいけない。これは無駄だ!!
2.情報量が少なすぎる
パンに書ける情報量はパンの面積から行ってもごくわずか。しかも大量のパンを食べないといけないとなると、効率が悪すぎます。食べられても一回に3枚が限度です。そのため、科学的には「ヘッドギアで脳に直接電気信号を送る方が現実的」とのこと。さらに、
楽に手に入れたものは、すぐに失ってしまう。暗記パンは、そんな深い話なんや
という暗記パンのオチにも深い意味が込められている、と多田先生。
心に響くドラえもんの教訓
3回にわたるこの講演シリーズ、多田先生は「1回目(タイムマシン)」「2回目(どこでもドア)」「暗記パン」のテーマを通じて、次のようなメッセージを届けてくれました。
•未来に向かって進もう(過去には戻れない)
•人生に近道はない
•楽して得たものは失いやすい
先生の熱いお話は、生徒だけでなく大人にも深く響きました。
宇宙についてもこたえておこう!
多田先生は物理学者であります。生徒から届いた質問で多かった
「宇宙のはじっこはどうなっているのか?」
「宇宙に中心はあるのか?」
そのようなことについてまずは先生から説明がありました。次の図をみてください。この1次元には果てがあります。
棒の両端ですね。これに対して、次の図のように棒の端と端を結べば、果てのない1次元ができあがります。
これを2次元に拡張をすれば、果てのある二次元と果てのない二次元(球)が考えられます。
絵にはかけませんが、3次元空間でも果てがある場合とない場合がある、さて、宇宙はどうなっているのだろうか?そんなところから講義がはじまりました。そしてビックバンのお話や、温度とは何か?についてのお話などがあり、「すべての星が地球から遠ざかっているとしたら、もしかしたら地球が宇宙の中心なのではないか?」という疑問を生徒になげかけました。ここで登場したのが、風船です。
風船を少し膨らませて、その表面に星を描きます。(生徒にも一人一つ風船を配布しました)
そして星に名前(A,B,Cなど)をつけていきます。この状態にして風船をより膨らませると、Aの星からはBやCが遠ざかって見えます。またBの星から考えれば、AやCが遠ざかって見えます。Cの星についても同様ですね。このようにすべての星が地球から遠ざかっているからといって、地球が中心にあるとは限らない、そんなことを体感させてくれました。
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