多田将先生に聞く!タイムマシーンは実現可能か?その答え!
今日は高エネルギー加速器研究機構の多田将先生を本校にお招きして、
「ドラえもんの道具は再現できるのか?」というテーマで講演を行いました。
講演は3回おこなわれますが、今日はその第1回目です。
この企画は、知り合いになった編集者のKさんから
多田先生の講演会を行って本にまとめたい依頼をうけて
本校で実施をすることになった企画です。
ぼくは多田先生の大ファンで、
講演会にも何回か足を運んだことがあります。
サインももらっていたりもしています。
多田先生は見た目もさることながら、話が面白くて
毎回もっと聞きたい!と思っていました。
そんな中の、こんな話ですから、
なんて素敵な機会なんだ!
多くの生徒にぜひ参加をしてほしい!
生徒に絶対にプラスの経験になるはずだ!
そう思いました。
でも単に素粒子物理学の研究者がくる!なんて募集をかけても、
残念ながらなかなか生徒が集まらないような気がしました。
本校で多田先生の大ファンのある生徒に相談をしたところ、
「ドラえもん」を題材にしてみたらどうか?
という案をもらい、一緒に考えて今回の企画を実現させていきました。
事前に本校の生徒から様々な質問(ドラえもんを含めてなんでもOK)を出してもらい、
それらのアンケート結果を多田先生にわたしておきました。
当日多田先生にきわめて科学的に、それらの疑問に答えていただくという
ちょっと無茶ぶりな企画です。
生徒からの質問が多かった気になる道具は次の3つでした。
1 タイムマシーン
2 どこでもドア
3 暗記パン
暗記パンに切実さを感じます(^^;)
今回の企画は3回に分けて行われます。
今日はその第1回目ということで、
タイムマシーンの実現可能性についてのお話を
多田先生がスライドにまとめてきてくれました。
声をかけたのは中1~高2までの生徒。
そしてなんと40名を超える生徒が自主的に参加したのです!
中学生からわかるのかは不安でしたし、
高校生でもちょとと難しい話になると生徒がついていけるのか、
それが懸念事項でしたが、そんな不安は吹っ飛びました!
中学生も高校生も、あっというまの90分がたってしまいました!
講義スタート!
講義の前に生徒に、前説としてぼくが
「多田先生を知っている人」と聞いたら、
手をあげたのは2人!
じゃあ、「本を読んだことある人」と聞いたら、手をあげたのが2人。
そんな状況からのスタートです。みんなドラえもんに惹かれてきたんだね。
さっそく多田先生を生徒に簡単に紹介をして、講義をはじめていただきました。
講義のスタートはまずは相対性理論についてのお話から始まりました。
なぜ光速度不変の原理によれば、それぞれの立場(運動の様子)
によって時間がずれてしまうのか、
そのことについて、わかりやすく説明をしていただきました。
とくに生徒参加型で、ローレンツ変換を三平方の定理で行うワークは
中学生から高校生までみんなで楽しめる、すばらしい経験でした。
生徒からは、
「数学がどのように役に立っているのかわかって感動した!」
などの意見がでました。
グループワークにしたことから、中学生と高校生が同じテーブルで考える機会をえて、
お互い良い効果があったようです。
本校の生徒をみてすごいなぁと感じるところは、大規模校であるためなのか、生徒同士がすぐに打ち解けること、コミュニケーション能力が高いことがあげられます。
簡単に言えば、明るくて、心が開いている状態の生徒が多いので、協同作業が得意!ということですね。
多田先生に講演後にお聞きしたら、他で話すとシーンとしていることもあるのだそうです。
その後は、相対性理論のお話から、
光の速度に近づけば近づくほど、時間が遅れてしまうこと、
つまり光の速度に近い速度で動き続けることができれば、
他者の時間よりも遅れるので、
未来にいけることができるということを説明してもらいました。
その後面白い話としては、
浦島太郎の亀はもしかしたら、
光速に近い速度で動いていたのかもしれないということや、
そうでなくても、竜宮城がブラックホールであれば、時間が遅れて太郎が未来にいくことがありえる
などというお話を聞きました。
ああ、浦島太郎はSFなんだなぁ。
その他、多田先生はアニメにも精通しているため、
宇宙戦艦ヤマトと超光速物質タキオンの話、
シュタインズゲートと情報を過去に送る技術の可能性など、
様々な話題をつかって、生徒を物理の世界へと導いていきました。
また過去にはどうやっても行くことができないということにも、生徒は驚いていた様子です。
すぐに飲み込めない話でも、様々な例をつかって丁寧に説明をしていただきました。
つまりタイムマシーンは未来行きの片道キップだったのです。
生徒はとくに、シュタインズゲートなどのアニメの話にはよくついてきてくれているようでしたね。
(ぼくは知りませんでした。シュタインズゲート。見てみないと)
その後質疑応答では、
・なぜ多田先生は金髪なのか?
・なぜ研究の道に進んでいったのか?
ということについて、
金髪になった驚きの理由、
人間の可能性と受験という経験の必要性や、
などなど、先生のプライベートな話題から、
生徒にとって身近にせまっている勉強や受験の話題について、
いろいろと答えていただきました。
そんな中で生徒に強く印象に残ったのは、
多田先生の人生観のようなものでした。
・相対性理論でもわかったように、未来にいくことはできるけれど、
決して過去には戻ることができないこと。
ぼくたちは常に未来に向かっていかなければいけない!
・人間には無限の可能性があるけれど、
無限にだらけることもできる。
明治維新でヒーローがあんなにたくさん出てきたのは、
日本が危機的な状況にあったからではないのか。
今の日本が平和だから、今は人間がだらけているのかもしれない。
・受験というものがなければ、
勉強に向かうことができるのか。
受験があるからこそ、勉強に向かうことができるのではないか。
・人間には無限の可能性がある。
自分の可能性を信じて、良い機会として勉強に取り組んでほしい。
・髪は染めないほうがいい、痛むから。
これらのことを多田先生の言葉として伝えていただいたので、
生徒は感銘を受けていたようです。
アンケートではまた聞きたい!という意見が非常に多くありました。
ぼくも間近できけてよかった!
次回は、生徒の希望が多かった、「どこでもドアとブラックホール」について。
今からどんな話になるのか楽しみです。
生徒の皆さんも、まだ席があいている日程があるので、
ぜひ私までお声をかけてください。
読者の中高生のみなさんは、こんなことが聞いてみたい!などあれば、
先生にお聞きできるかもしれませんので、以下の連絡先までご連絡ください。
多田先生の本はこちら
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