ピーナッツの中身、大解剖!種子の構造を理科で学ぶ(無胚乳種子)
ピーナッツの種子の観察
普段、何気なく口にしているピーナッツ。実はこれ、「無胚乳種子」と呼ばれる種類の種子で、他の種子とちょっと違う特徴を持っています。種子といえば、発芽に必要な栄養を含む「胚乳」があるイメージですが、ピーナッツにはそれがありません。では、栄養はどこにあるのでしょうか?
例えばイネは「胚乳種子」と呼ばれるタイプの種を持っていて、その中には「胚」と「胚乳」という2つの部分があります。この「胚乳」っていうのが、胚が成長するためのエネルギー源なんです。つまり、植物の赤ちゃんが大きくなるための栄養が詰まっているんですね!
普段食べている白米には、イネから「もみがら」を取り除いたものが「玄米」で、その玄米からさらに「ぬか」と「胚」を取り除いて、残ったのが「白米」なんです。白米は「胚乳」だけが残っている状態というわけです。つまり、私たちが食べている白米は、胚が成長するためのエネルギーそのものをいただいているんですね!考えるとちょっとすごいですよね。
無胚乳種子であるピーナッツに戻ります。ピーナッツを食べながらふと観察してみると、その答えが見えてきました。ピーナッツの中には「胚」はあるのに、「胚乳」が見当たりません。実は、ピーナッツの食べている部分のほとんどが「子葉」と呼ばれるもので、ここに発芽のための栄養が蓄えられているのです。
授業での活用方法
この特徴を理科の授業で活かすなら、実際にピーナッツを観察させるのが効果的です。
【準備するもの】
- ピーナッツ(殻付きが望ましい)
- ルーペまたは実体顕微鏡
- カッターまたはピンセット
- ノートと筆記用具
【観察の手順】
- ピーナッツの外観を観察する
- まず、殻付きのピーナッツを手に取り、殻の硬さや形状を確認します。
- 落花生(ピーナッツ)は「地中で育つ豆類」という特徴があることを伝えると、興味を持ちやすくなります。
- 殻を割って種子を取り出す
- ゆっくりと殻を割り、中の種子を取り出します。
- このとき、種子が2つに分かれていることを確認させましょう。
- ゆっくりと殻を割り、中の種子を取り出します。
- 種子の構造を観察する
- ルーペや実体顕微鏡を使いながら、種子の表面を観察します。
- 種皮を剥がして、中にある「幼芽」と「幼根」を見つけます。
- 「子葉」は発芽に必要な栄養を蓄えており、私たちが食べる部分であることを説明しましょう。
- 他の種子と比較する
- 胚乳がある種子(例えば、お米やトウモロコシ)と比較すると、違いがよく分かります。
- これによって「無胚乳種子」と「有胚乳種子」の違いが理解しやすくなります。
授業のポイント
- ピーナッツが「豆類」でありながら「地中で育つ」という特殊な成長過程を話すと、生徒の興味を引きやすい。
- 実際にピーナッツを分解しながら、「どこに栄養があるのか?」という問いを投げかけると、探究心を刺激できる。
- お米やトウモロコシと比較することで、種子の違いを視覚的に理解できる。
普段何気なく食べている食材も、理科の視点を持って観察すると新しい発見があります。次にピーナッツを食べるときは、ぜひ「子葉」「胚」「胚乳」の違いを思い出してみてくださいね!
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