おもちゃが物理の先生に!プルバックカーとスマホで撮る「奇跡の軌跡」

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

おもちゃのミニカーがジャンプ! その「飛んでいく姿」をスマホで撮影するだけで、物理の教科書に出てくるような、美しい「運動の軌跡」が撮れてしまうとしたら、ワクワクしませんか?今日は、身近な「プルバックカー」とスマホアプリを使って、物が飛ぶときの「放物運動(ほうぶつうんどう)」を驚くほど簡単に見える化する実験をご紹介します!

スクリーンショット 2016/01/07 17.27.41

実験の準備はとても簡単!

用意するものは、たったこれだけです。

プルバックカー(後ろに引いて手を離すと走る、あのおもちゃです)

ジャンプ台(厚紙や板などでOK)

ストロボ写真撮影アプリ(iPhoneアプリの「モーションショット」など、動きを連続で撮影できるもの)

スマホで激写!これが「放物運動」だ!

さっそく実験してみると…こんな写真が撮れました! プルバックカーが、まるで分身の術を使ったみたいです!面白い!!

スクリーンショット 2016/01/07 17.27.34

別のアングルでもう一枚。こちらが、物が飛んでいくときの「放物運動」の様子です。キレイなアーチを描いていますね。

スクリーンショット 2016/01/07 17.27.47

写真が語る「物理の法則」

さて、この写真から何がわかるでしょうか?

注目すべきは、プルバックカーの「横方向の間隔(かんかく)」です。 よーく見てください。写真に写った車と車の間隔が、ほぼ一定になっていることがわかりますね。

これは、物理学でとても大切なことを示しています。 物が飛んでいるとき、水平方向(横向き)には、ほとんど力が働いていない(※空気の抵抗は一旦無視します)ということです。力が働かないので、横に進むスピードは落ちずに、ずっと同じ速さ(等速直線運動)で進み続けます。だから、同じ時間で撮影すると、間隔が一定になるのです。

では、垂直方向(縦向き)はどうでしょう? こちらは間隔が一定ではありません。上っていくときはだんだん間隔が狭くなり、頂点を越えて落ちるときは、だんだん間隔が広がっていきます。 これは、車に常に「重力(じゅうりょく)」という下向きの力が働き続けている証拠です。重力がブレーキをかけたり(上り)、アクセルを踏んだり(下り)しているわけですね。

この「横方向は一定のスピード」と「縦方向は重力で変化するスピード」という2つの動きが合わさることで、あの美しい「放物線」が描かれるのです。

写真では、ジャンプ台の角度が浅かったためか、物が真横に飛び出す「水平投射」に近い形で飛んでいきました。ジャンプ台の角度を変えると、もっと高く飛んだり、遠くまで飛んだり、軌道が変わる様子も観察できて面白いですよ!

おもちゃのプルバックカーとスマホ一つで、こんなにもハッキリと物理の法則が見えてくるなんて、驚きですよね。ぜひ皆さんも、身近なもので「運動の可視化」に挑戦してみてください!

お問い合わせ・ご依頼について

科学の不思議やおもしろさをもっと身近に!自宅でできる楽しい科学実験や、そのコツをわかりやすくまとめています。いろいろ検索してみてください!
・科学のネタ帳の内容が本になりました。詳しくはこちら
・運営者の桑子研についてはこちら
・各種ご依頼(執筆・講演・実験教室・TV監修・出演など)はこちら
・記事の更新情報はXで配信中

科学のネタチャンネルでは実験動画を配信中!

3月のイチオシ実験!

  • 押し花を作ろう!:梅や桜の花の押し花を作ってみましょう。特別なケースに入れると、長く保存できて、しおりにもなります。

テレビ番組・科学監修等のお知らせ

書籍のお知らせ

講師・ショー・その他お知らせ

Explore

  • 楽しい実験…お子さんと一緒に夢中になれるイチオシの科学実験を多数紹介しています。また、高校物理の理解を深めるための動画教材も用意しました。
  • 理科の教材… 理科教師をバックアップ!授業の質を高め、準備を効率化するための選りすぐりの教材を紹介しています。
  • Youtube…科学実験等の動画を配信しています。
  • 科学ラジオ …科学トピックをほぼ毎日配信中!AI技術を駆使して作成した「耳で楽しむ科学」をお届けします。
  • 講演 …全国各地で実験講習会・サイエンスショー等を行っています。
  • About …「科学のネタ帳」のコンセプトや、運営者である桑子研のプロフィール・想いをまとめています。
  • お問い合わせ …実験教室のご依頼、執筆・講演の相談、科学監修等はこちらのフォームからお寄せください。