リンゴに働く重力を積み上げてみよう!高物と微積その2
高校物理の検定教科書では微積を使わないで説明がなされています。でも微積を使ったほうがスッキリとわかりやすく説明できることも多くあります。
今回は微積を使ったほうが良い範囲について、一つひとつ説明をしていこうと思います。前回は力がはたらかない場合の運動についてでしたが、今回は力がはたらいた場合についてです。第2回です!(^^)
落下運動と微積分
一定の力が働いている運動について、今回は見て行きましょう。例えば重力mg。地表面上では、常にほぼ同じ力mgがはたらいているので、鉛直下向きを正として運動方程式を考えてみます。
前回、微分を含む式で表記したので、同様に表記をしています。この式の両辺を時間tで積分をしてみましょう。
※Cは積分定数
ここで、時刻0のときの速度をv0とすると、C=v0となる。このことから、
となります。前回の等速度運動の式と比べると、速度が時間tの増加とともに、増えていくのがわかりますね。グラフにすると次のような感じになります。
このグラフの傾きは、重力加速度gとなります。さらにこの速度の式を時間tで積分してみましょう。速度vを微分表記で上の式を書き直すと、
となります。積分すると、
※ Cは積分定数
時刻0のときの位置をx0とすると、C=x0となります。このことから上の式は次のように書くことができます。
みなさんがよく試験でみる、落下の式になりましたね。グラフにしてみると、次のようになります。
今回は落下運動で計算をしてみましたが、ある一定の力が働く運動は、すべて同様に積分をすることによって、物体の速度や位置を求めることができます。積分って便利ですね!(^^)
なおこのように、運動方程式から変位の式まで導くことを、「運動方程式を解く」といいます。
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