「微積なんていらない?」いや、むしろ使ったほうが簡単です!(物理と微積 第1回)

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高校物理と微分積分──力と運動の関係を考える

高校の物理では、基本的に 微分積分(微積)を使わず に学習を進めます。これは数学の進度と合わせるためですが、実は微積を使ったほうがスッキリと理解できる部分も多いのです。

今回は、「力と運動の関係」に注目しながら、微積を使うことでどのように理解が深まるのかを見ていきましょう。

等速度運動と微積分

力が働かないときの運動

まずは 力がまったく働かない場合 を考えてみましょう。例えばカーリングのストーンが動いている様子などです。

高校物理では、このとき物体は「等速直線運動をする」と学びます。運動方程式から、

スクリーンショット 2015-06-05 14.12.43

 力がはたらかないので、右辺は0です。

スクリーンショット 2015-06-05 14.12.47

 加速度を微分を含む式で表記をすると、

スクリーンショット 2015-06-05 14.12.51

これをtで積分をすると、速度vは次のようになります。

スクリーンショット 2015-06-05 14.12.55

※ Cは積分定定数。C’はm/Cが一定なのでC’とおいている。

 時刻0のときの速さをv0とすると

スクリーンショット 2015-06-05 14.12.59

 となります。よってv=v0となり、力がはたらかない場合、物体は等速度運動をすることが示されましたね。

等速度運動と距離の式

v=v0を微分を含む式で表記すると、

スクリーンショット 2015-06-05 14.13.09

 先ほど同様に、時間tで積分をすると、

スクリーンショット 2015-06-05 14.13.31

※C’’は積分定数

 となります。時刻0のときの位置を初期位置x0とすると、

スクリーンショット 2015-06-05 14.13.31

 積分定数C’’=x0となり、このことから、

スクリーンショット 2015-06-05 14.13.40

 となります。これをグラフにすると次ような1次関数になります。傾きが速度v0を示しますね。

スクリーンショット 2015-06-05 14.13.52

まとめ

今回は 「力と運動」 について、微積を使って考えてみました。高校の物理では微積を使わなくても学べますが、実は使ったほうがスッキリ理解できることもあります。次回は重力が働く場合の物体の動きについて考えていきます。

次の記事はこちら

物体はどう落ちる? 微積でスパッと理解する落下の法則!(物理と微積 第2回)

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