記録タイマー革命!50分で斜面上の運動4種類の実験&考察まで完了した!
【授業実践】記録タイマーdでスピーディに斜面上の運動を分析!
「こんなにスムーズに実験が進んでいいのだろうか?」授業中に思わずそうつぶやいてしまいました。今回ご紹介するのは、デジタル記録タイマー「記録タイマーd」を使った、斜面上の力学台車の運動実験です。これまでの実験では、記録テープを切って貼って、間隔を測って、速度を求めて……と、どうしても記録処理の時間が大きな壁でした。ですがこのタイマーを使えば、その壁がスッと消えます。記録タイマーdについてはこちらの記事をご覧ください。
実験のねらいと準備物
この実験では、以下の2点を生徒に探究させます。
1. 斜面の傾きを変えると、台車の運動はどう変化するのか
2. 同じ斜面で、台車の質量を変えると運動に変化はあるのか
2については主に高校物理の内容ですが、発展的なことまでやってみました。
準備物は以下の通りです。
• デジタル記録タイマー「記録タイマーd」
• クロームブック
• 力学台車
• 傾斜用スロープ(3段階調整可能:小・中・大)
• おもり(台車の質量を1.5倍にするため)
・油粘土500g
授業の展開と生徒の様子
まず、3種類の傾斜(小・中・大)でそれぞれ台車に働く力を測定します。
次に台車を各斜面で滑らせ、速度や加速度の変化を観察させました。
記録タイマーdはパソコンと繋いで使います。USBから電源が供給されます。
さらに、中傾斜で台車におもりを乗せて質量を1.5倍にし、運動の様子を比較させました。事前に予想を書かせ、実験、結果の記録、そして考察というサイクルを一気に回します。
これが生徒が測定した結果です。
斜面の小・中・大のグラフを重ねてみると、、、
斜面は同じで質量のみを変えた場合の2つのグラフを重ねてみると、、、
なんと、生徒たちはこの一連の流れをわずか20分で完了。これまでなら「計測+テープ処理」で1時間かかるところ、記録タイマーdが劇的に時間を短縮してくれました。その分、考察やクラス全体での共有にたっぷり時間を使えたのは大きな収穫でした。
考察を深めるポイント
• 斜面が急になると加速度が増す → なぜ?(重力の分力との関係)
• 質量を増やしても加速度は変わらない → なぜ?(ニュートンの運動方程式とのつながり)
• 実験値と理論値のズレ → 摩擦や測定誤差の考察へ
これらを個人・班・全体で共有しながら、「考察力」「理論との接続力」を鍛える良い機会となりました。
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