完全な等速直線運動を行うための工夫をしてみよう(探究的な授業の実践)

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。

等速直線運動の実験では水平な机の上で力学台車を押して、その時にスイッチを押して測定をして見出していきますが、実際に実験をしてみるとやや速度が下がっていき、完璧な等速直線運動を実現することができません。

そのため、実験の工夫やコツが必要になります。

今回の授業では「完璧な等速直線運動を行うためには?」ということをテーマに行いました。同僚の吉本一紀先生が実践していたもので、面白そうだったので実際にやってみました。生徒は記録タイマーを使って水平面上で力学台車を動かして、データを取ることによって、それを解析して、それが厳密に言えば等速直線運動になっていないことを調べています。

この段階で、「では実際問題として、等速直線運動になるためにはどうすればいいか」を考えて、次回やってみましょうと言うことを課題として出しました。各班で工夫をするわけですが、等速直線運動によしあしについては、VーTグラフのその傾きを見て判断することができます。生徒には次の時間にやるので、どんなものを持ってきても良いということで指示を出しました。また理科室にあるものは何でも使っていいと言うことで指示も出しています。

当日を迎えてみると、様々な案が出てきました。ある班は机の上にアルミ箔を敷いて、 その上に力学台車を置いて実験をしていました。その意図を聞いてみると、摩擦力を減らしたいと言うことでした。

また別の班では、机の上に油を引いて摩擦力を減らした上で実験を行うところもありました。この写真は力学台車の下に氷を下に置いて実験をしている様子です。

これも摩擦力を減らしたいという意図があったようです。 その他にも模型の車を持ってきて、その車に記憶テープを引っ張らせる班もありました。また緩やかな斜面を用意して、そこを滑らせることによって摩擦力と重力の斜面方向の力の成分を打ち消し合い合力を0にするというアイデアで、 等速直線運動実現しようとする班もありました。

分類すると2つの方法があり、1つは摩擦力をできるだけ小さくすること、もう一つは何からの外力で合力を0にすると言う方法です。なかなか頭の中だけだと、合力を0にすると言う方法は生徒からは出てきにくいのですが、この実践をすることで、生徒が自然と合力が0なのが等速直線運動の特徴などだということを見出せるということが面白いと思っています。生徒が試行錯誤できるとても楽しい事業実践だと、やってみて改めて感じました。

 

 

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