【虹を作ろう!】二重の虹と光の屈折と反射が織りなす、空のキャンバスの科学
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
「あ、虹だ!」
雨上がりの空に、突如として現れる七色のアーチ。その美しさに、思わず足を止めて見上げてしまうのは、きっと誰もが経験したことのある感動ではないでしょうか。先日、高速道路を走らせている時に、私も素晴らしい虹に出会いました。
実は、虹はただの美しい光景ではありません。空に浮かぶ数え切れないほどの小さな水滴たちが、太陽の光を丁寧に仕分けて見せてくれる、壮大な光の実験ショーなのです。
特に、その虹の外側に、もう一つ、うっすらと色の並びが逆になった虹が見えたとしたら……それはまさに、自然が私たちに見せてくれる最高のサプライズ。今回は、そんな「ダブルレインボー」の秘密に迫ります。

幸運のサイン!ダブルレインボーの正体
写真のように二重になった虹をダブルレインボーと呼びます。内側のくっきりした虹を主虹(しゅこう)、そして外側のうっすらとした虹を副虹(ふくこう)といいます。これ、ただ二つ並んでいるだけではないんです。よーく観察してみてください。主虹と副虹では、色の並びが完全に逆転しているのがわかりますか?主虹は「外側が赤で内側が青」ですが、副虹は「外側が青で内側が赤」になっています。この不思議な現象、実は光の「反射の回数」が鍵を握っているのです。
水滴がプリズムに!虹ができる科学の仕組み
空に虹がかかる仕組みは、まるで魔法のようですが、その正体は空気中に漂う小さな水滴です。この水滴一つひとつが、理科の実験で使うプリズムと同じ役割を果たしています。太陽の光は、一見すると白っぽく見えますが、実は赤から紫まで、あらゆる色の光が混ざり合ってできています。この光が水滴の中を通過するときに、以下のドラマが繰り広げられます。
1.屈折:太陽光が空気から水滴に入るとき、光の進む向きが曲がります。このとき、紫の光は大きく曲がり、赤の光は小さく曲がるという性質があるため、色が分かれ始めます。
2.反射:水滴の奥まで届いた光は、鏡のように一度跳ね返ります。
3.再び屈折:反射した光が水滴から出るとき、もう一度曲がります。
この「2回の屈折」と「1回の反射」を経て私たちの目に届くのが、私たちがいつも見ている主虹なのです。


なぜ副虹は色が逆さまなの?
では、なぜ外側の副虹は、色が逆転してうっすらと見えるのでしょうか?その理由は、水滴の中での反射回数にあります。副虹は、なんと水滴の中で光が「2回」反射してから出てくるのです。2回反射することで光の経路がひっくり返るため、主虹とは反対の色の並びになります。また、反射の回数が増える分だけ光のエネルギーが弱まってしまうため、副虹は主虹よりも暗く、はかなく見えるわけですね。

イラスト付きではこちらのサイトなどをご覧いただくとわかりやすいと思います。
ちなみに、主虹と副虹の間が、他の空の色よりも少し暗く見えることがあります。これは「アレキサンダーの暗帯」と呼ばれる現象で、光が届きにくいエリア。ダブルレインボーを見つけたら、ぜひその「色の濃さの違い」にも注目してみてください。
自分で虹を「発明」してみよう!
虹の仕組みがわかったら、今度は自分で作ってみましょう!
虹を探す時の鉄則は、太陽を背にして立つことです。太陽が低い位置にある朝や夕方は、虹が大きなアーチを描きやすくなります。逆に、太陽が高い昼間は、虹が地面の下に隠れてしまうため、なかなか出会うことができません。以前、私が撮影した虹の様子もご覧ください。


さらに拡大すると、光の重なりがより鮮明に見えてきます。

家庭で虹を作る方法はとても簡単です。晴れた日に太陽に背を向け、ホースのノズルをシャワー状にして、自分の影の方向に水をまくだけ!
うまくいくと、このように手元に小さなダブルレインボーが現れます。自分で作った虹で、色の順番を確認するのは最高の科学体験になりますよ。

これからの季節、晴れ間が見えたらぜひお庭や公園で「自分だけの虹」を作ってみてくださいね!
見出し3:お問い合わせ・ご依頼について
科学の不思議やおもしろさをもっと身近に!自宅でできる楽しい科学実験や、そのコツをわかりやすくまとめています。いろいろ検索してみてください!
・運営者・桑子研についてはこちら
・各種ご依頼(執筆・講演・実験教室・TV監修・出演など)はこちら
・記事の更新情報はXで配信中!
科学のネタチャンネルでは実験動画を配信中!
7月のイチオシ実験!
夏でプシュッと爽やか実験!

テレビ番組監修・イベント等のお知らせ
-
時速200kmで走るランボルギーニが、長さ12mのテーブルクロスを一瞬で引き抜く——そんな常識破りの実験が、ふたたびテレビの世界で大きな話題になりました。しかも今回は「視聴者が選ぶワクワク実験ランキング」で、なんと堂々の第1位を獲得したのです。Tverでまだ見ることができるのでぜひご覧ください。

- 7月18日(土) 教員向け実験講習会「ナリカカサイエンスアカデミー」の講師をします。お会いしましょう。
- 12月26日(土) ナリカサイエンスアカデミー(教員向け実験講習会)開催
書籍のお知らせ
- 7月16日発売 『高校入試 分解問題集 理科』(学研)…難しい問題も小さな問題に分解することで、問題を解くことができます。そんな分解の技術が身につくように深く関わりを持って作りました。

- 『大人のための高校物理復習帳』(講談社)…一般向けに日常の物理について公式を元に紐解きました。特設サイトでは実験を多数紹介しています。※増刷がかかり6刷となりました(2026/02/01)

- 『きめる!共通テスト 物理基礎 改訂版』(学研)… 高校物理の参考書です。イラストを多くしてイメージが持てるように描きました。授業についていけない、物理が苦手、そんな生徒におすすめです。特設サイトはこちら。

各種SNS(更新情報をお届け!)
【日本語】X(Twitter)/instagram/Facebook 【英語】BlueSky/Threads
Explore
- 楽しい実験…お子さんと一緒に夢中になれるイチオシの科学実験を多数紹介しています。また、高校物理の理解を深めるための動画教材も用意しました。
- 理科の教材… 理科教師をバックアップ!授業の質を高め、準備を効率化するための選りすぐりの教材を紹介しています。
- Youtube…科学実験等の動画を配信しています。
- 科学ラジオ …科学トピックをほぼ毎日配信中!AI技術を駆使して作成した「耳で楽しむ科学」をお届けします。
- 講演 …全国各地で実験講習会・サイエンスショー等を行っています。
- About …「科学のネタ帳」のコンセプトや、運営者である桑子研のプロフィール・想いをまとめています。
- お問い合わせ …実験教室のご依頼、執筆・講演の相談、科学監修等はこちらのフォームからお寄せください。
- 胃は自分を溶かさないのか?170年前の暴発事故が教えてくれたこと(動画「人体の消化の妙」)
- 見えない電気を見てみよう!コイルが起こす不思議な位相差(交流回路)
- 【科学監修】ランボルギーニでテーブルクロス引き!視聴者人気No.1に選ばれました(ネイチャーティーチャー)
- 虫眼鏡から虹まで全部つながってる!光の屈折を見える化した実験装置(科学技術館)
- 水を注いだら立方体が現れた! 光と色の「引き算」が生み出す CMYウォーターキューブ(ナリカ)
- 【サイエンスショー講師】こまもブーメランも宇宙も同じ!「回転の科学」で小学生が大興奮した2時間(ダヴィンチマスターズ)
- 発泡スチロールが宙に浮く「音の正体」を目で見せてくれる不思議な装置(クント管)
- スイッチを切っても止まらない!コイルが見せる電気振動の正体をセンサーで捉えた(EasySense V-Hub)
- 【公開研究会】脱作業化!デジタル化と段階的指導で実現する オームの法則の探究











