ロボットが論争で人間に勝つようになったら…「われはロボット」

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われはロボット

SF本を読みながら、面白かったものについてご紹介します。
今日紹介するのは、有名な「われはロボット」です。

[amazonjs asin=”4150114854″ locale=”JP” title=”われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)”]

一つ一つが短編になっていて9個収録されています。
短編なのでぼくを含めて、SFの初心者もとっつきやすくておすすめです。
(前回紹介したソラリスよりも、まずはこちらからですね笑)

短編がはミステリーのような作りになっており、
それらの作品の全てに共通するのが、「ロボット工学の三原則」という
人類がロボットを作るときに組み込んである3つの規則です。

第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

第二条
ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。

第三条
ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

この完璧な3つの規則が、
ロボットの脳にあらかじめ組み込まれているのです。

この規則があれば、ロボットが暴走するはずがない、
そう思いますよね。

しかしそれぞれの短編集では、
この規則のほころびを、それぞれのロボットがとることにより
事件が起こっていきます。

とくにぼくが面白いなと思ったのは、3つめに収録されている
「われ思う、ゆえに・・・」という作品です。

地球のスペース・コロニー(植民惑星)である、ある惑星で事件は起こります。
惑星を管理している二人のもとに、
最新のロボットが地球から送られてきます。

このロボットを使うことによって、他のロボットを制御させて、
完全に人の手から惑星の管理を放すことができるという大切なロボットです。
ロボットに仕事をさせようと、スイッチをいれます。

すると、そのロボットの脳が今までのロボットよりも精巧にできているがゆえに、
ロボットは自分の存在について考え始めてしまい、
最後には自分が人間よりも完璧な存在であり、
「主」の使いであるという結論にいたります。

ロボットからすれば、よっぽど弱くて不完全な人間を、
このロボットが管理をしようとしはじめます。

そこで二人の人間とロボットの間で論争が起こり、
ロボットの考え方がいかに間違っているか説得にかかるのですが、

ロボットの理屈はその上を行っていて、どうしても説得することができません。しかもそのロボットは、他のロボットを従えて、
基地の機能を人間の手からうばってしまうのです。

そんな中、宇宙を吹き荒れる磁気嵐がこの惑星を数時間後に襲うことを
人間は知っていました。対策をとらないと、基地はもたない・・・。

あせる人間、説得できないロボット。
さあ、どうなるのか!

いや〜〜すごい興奮しました。汗が吹き出てきて、
どうなるんだどうなるんだ!とおもって、読み進めると、

「ああ!そうか!そうなっていたのか!」

というような物語なのですが、伝わりませんよね・・・(^^;)

最後にはこのロボット三原則の存在により、
なんとか人間がこの危機を乗り切ることができるのですが、
人間の二人は、なんとなくすっきりしない顔で終わる物語です。

気楽に読めるので、冬休みに手にとって見て下さいね!

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