電流と電圧をモデル化して表すにはどうしたらいい?(モデル化)
電流と電圧について学んだ後に、モデル化の作業を行ってもらいました。本格的なモデル化なので、1コマとってモデルについての説明や、色々なモデルがあるのでどれが正しいとは言いにくいことを伝えてモデル化に挑戦しました。
ということをはじめに伝えました。
課題は、それぞれの回路における電流・電圧について,モデルを使って説明できるようにすることです。
モデル化するまに学習したことをまとめておくと、
・回路には何か(電流)が流れていそうである。
・電流が豆電球に流れると,光を放つ。
→ 身の回りの電気製品は,電気がくると,はたらきをする
光る、熱が出る、モーターが動く 等
・電球を光らせた後も、電流の大きさははその前後で変わらない。
・はたらきをするものを、「エネルギー」という。
新情報 電圧の大きさとは?
ある2点における,電気がもつ エネルギー の差を示す量
電池の両端の電圧は、 電気が 得るエネルギーの量 を示す
豆電球の両端の電圧は、電気が 失うエネルギーの量 を示す
→ 失った電気のエネルギーが、光エネルギーになる
挑戦 電流・電圧を何かで例えて、わかりやすく表してみよう(モデル化)。
生徒の解答例としていろいろなものが出てきました。
ここではお金(エネルギー)を電池の部分でもらって、関所まで届けるというモデルでした。関所が豆電球のイメージで、電流が電気マンが運んでいる様子だそうです。この場合電流が関所を通過しても減らないので、良いモデルかもしれません。
こちらは水が電池のイメージで、ベルトコンベアが電流、水がベルトコンベアに乗って運ばれて、電球が畑で、そこに水を撒くのだそうです。水がエネルギーのイメージですね。そそて畑で野菜が育つということが光ということだそうです。エネルギーが減っていくことや、電流がその前後で変化しないことが説明できています。
これは人モデルで、心臓の血圧が電圧、赤血球が電流だそうで、酸素がエネルギーだそうです。ちょっと生物によせすぎた部分もあり、酸素がエネルギーということは肺の部分で何をしているのか?など気になりますが、モデルとしての力強さを感じますね。
こちらは教科書などによく乗っている水路モデルです。このモデルも万能とは言えないのですが、電圧と電流の関係を示すときにはやはり俊逸なモデルかなと思います。生徒が考えついたものなのかは、ちょっとここではわからなかったです。
これは同線の中に電気マンがたくさんいて、それらが電池でVというエネルギーを受け取って、それを電球に送り届けるというモデルです。電気マンがたくさんいるというのが電子をイメージしているようで面白いモデルですね。
これはある人が電池の部分で髪の毛をもらい、それを豆電球の部分でカットされて帰ってくるというよくわからない循環の様子です。髪の毛をエネルギーに例えるところがモデル化としては独特です。
これは流れるプールのようなもので、水の量が電流で、電池はポンプのようなものだとのこと。豆電球をどうするかで悩んでいました。
これは電流が会社員で電車に会社員が乗り込むのだそうです。電圧は助客の数によるそうで、豆電球に行くと、人が電車から降りていくそうです。すると、エネルギーが消費されるというイメージなのでしょうが、電流が減ってしまいますね。どうしましょう。
次に自分で作ったモデルを使って、直列接続と並列接続についてモデルで説明をさせてみました。するとモデルを改善しなければいけない点が出てきました。
直列モデル
こちらは宅配会社だそうで、電池の部分でエネルギーという荷物を受け取って運んでいるというモデルです。左側でまだ荷物を持っていますが、実際はこれはないとのこと。また信号がスイッチを示しているそうです。
直列回路のモデルでは、一人の宅配インが2つのエネルギーを運んで、それぞれに一つずつ渡すため、豆電球にエネルギーがそれぞれ分けられるということを言っていました。なるほど、だから暗くなったりするんですね。
並列の場合はというと、
二人の宅配インとモデルを改良をしていました。宅配イン2人がそれぞれ一つずつエネルギーを運んでいって、途中で別れてそれぞれ届けるというそうです。実際との矛盾点として、電池と電球2つの電圧が揃っていることがわかっていたので、電池では荷物が2つ、それぞれの電球では荷物が1つでうまく説明できない点がありそうです。電流はよく説明できますね。
こちらはテトリスのブロックを運ぶ例で例えてくれました。
途中で折るのだそうです。面白いですね。
こちらも2人で持ってくことになりましたが、やはり電圧問題が残ってしまいました。
と、こんなふうに頭を悩ませながらモデル化をしていく姿がみられました。ここに抵抗が加わってくると、どうなるのでしょうかね。また面白みが出てきましたね。抵抗も含めたモデル化についてはこちらをご覧ください。