葉っぱが飲んだ水の量は?蒸散と吸水量を調べる実験(アジサイを使用)
葉の蒸散と吸水量を調べる実験ガイド
今日は、葉の蒸散と吸水量を調べる実験をご紹介します。こちらは、授業で行う前に実施した予備実験の様子です。この実験は、葉からの水分の蒸散によってどのくらい水が吸い上げられるかを観察できるシンプルながら奥深い内容です。また、葉の表面・裏面の違いや、環境条件(湿度・明るさ)による影響も体感できるため、探究的な学びにも発展させやすいテーマです。
授業で実施する際は、事前準備をしっかり行い、実験条件を工夫できるよう班ごとに自由度を持たせると、より深い考察が期待できます。それでは、具体的な方法をご紹介します!
実験方法
1 葉の準備
• 植物の葉を用意します(アジサイなど、水揚げしやすいものがおすすめです)。
• 採取した葉は、必ず水の中で茎を切るようにします(空気が茎に入ると水を吸い上げにくくなるため)。
• 1班あたり4枚の葉を使います。
【用意するパターン例】
• 何も処理をしない葉
• 葉の表面にワセリンを塗った葉
• 葉の裏面にワセリンを塗った葉
• 葉をすべて取り除いた茎だけのもの
※パターンは、生徒の実験計画に応じて変更してもOKです!
2 シリコンチューブの準備
• シリコンチューブを**3種類の太さ(外径6mm・4mm・2mm)**で用意し、順につなぎます。
• ※参考:[シリコンチューブ製品ページ(scibox)]
https://www.scibox.jp/products/g40-2391/
3 チューブに水を満たす
• 水を満たした注射器を使い、チューブ全体に水を充填します。
• その後、注射器を外し、太いチューブを取り外して、葉の茎に直接つなぎ直します。
• (見やすくしたい場合は、色水を使っても効果的ですが、今回は水のみで行いました。)
4 蒸散の観察
• 葉を机の上に置き、20分間放置します。
• シリコンチューブ内の水の動きを観察し、どれだけ水が吸い上げられたかを測定します。
実験結果(予備実験)
今回は、「何もしていない葉」で実験し、20分間置いてみました。すると、9mmだけ水が移動していました!
なお、吸水量には以下のような環境要因が影響することが知られています。
• 葉の大きさ
• 周囲の明るさ(光の強さ)
• 湿度
• 気温
この日は雨天、室内、かつ小さな葉を使ったため、蒸散量が少なめだったのかもしれません。(逆に、晴天で大きな葉を使えばもっと大きな変化が見られるでしょう。)
ポイント
• 茎を切る際は、必ず水中で行う。
• チューブと葉の接続部をしっかり密着させる(空気漏れ注意)。
• ワセリンは厚く塗りすぎない(葉が傷つきやすくなるため)。
• 色水を使うと生徒にとってより視覚的にわかりやすくなる。
キャッチーなタイトル案
1. 「」
2. 「見える!葉の蒸散と水の旅~中学理科実験ノート~」
3. 「葉の表と裏で違う?ワセリン実験で探る蒸散のひみつ」
4. 「20分でわかる!植物の吸水と蒸散を体感しよう」
5. 「チューブの水が語る!葉の生きる力を測定しよう」
次回としてはもう少し大きな葉を使って行ってみようと思います。なお指導書(大日本図書)では、4.4cmくらい10分で吸い上げられたとのこと。工夫が必要ですね。
こちらの動画は丁寧にやっていて参考になりますね。
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