割り箸が花火に変わる?手作り「線香花火」で江戸時代の科学を体験しよう( 黒色火薬 ・ 乾留)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

※ 必ず、保護者や大人と一緒にやるようにしてください。保護メガネ、水などの安全対策を取って行いましょう。

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夏の夕暮れ、パチパチとはじける繊細な光。線香花火の美しさは、私たちの心にそっと寄り添ってくれますね。でも、その小さな火花の中に「江戸時代から続く知恵」と「緻密な化学反応」がぎゅっと詰まっていることをご存知でしょうか?

今回は、市販の花火を楽しむだけでなく、自分たちの手で「線香花火」を一から作り上げるという、夏の夜を最高に特別なものにする挑戦をご紹介します。身近な「割り箸」が、化学の力で魔法の粉に変わり、美しい火花へと変貌を遂げる。そんな科学のストーリーを一緒に体験してみましょう!

自分で作った花火で、夏の夜をさらに特別なものにしてみませんか?

手作り線香花火に挑戦してみましょう!なんと、材料を揃えれば線香花火は自分で作れちゃうんです。必要なのは、割り箸、硫黄、硝酸カリウム、そして和紙。これだけで、歴史的な火器にも使われていた「黒色火薬」を再現し、自分だけのオリジナル線香花火が完成します。

手順は大きく分けて2つ。まずは、割り箸を「乾留(かんりゅう)」という方法で炭にします。次に、その炭と他の薬品を混ぜ合わせて火薬を作り、和紙で優しく包み込みます。ここには、職人のような手先の器用さも必要ですよ。いよいよ火をつけたとき、市販の線香花火のような「牡丹」「松葉」「柳」と変化していく火花のドラマが見られたら大成功です!自分たちの手で暗闇を照らす快感は、一生の思い出になるはずです。

科学のレシピ

準備物: 割り箸、硝酸カリウム、硫黄、鉄粉(チカチカした火花を強めるために加えることがあります)

器具: ガスバーナー、試験管、ガラス管付きゴム栓、乳鉢と乳棒、和紙、水槽(消火用)

本格的に割り箸から炭を作るプロセスは非常に学びが多いですが、もし手軽に実験したい場合は、市販の活性炭パウダーを使うのも一つの方法です。

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楽天やアマゾンでも同様の粉末炭が手に入ります。

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割り箸から炭を作ろう!:驚きの「乾留」実験

まずは割り箸を「乾留(かんりゅう)」にします。これは、空気を遮断した状態で加熱し、物質を熱分解させる操作のことです。

木材(割り箸)を熱すると、以下のように分解されます:

  • 木炭(不揮発成分:残った炭)
  • 木ガス(可燃性のガス:水素やメタンなど)
  • 木タール(粘り気のある液体)
  • 木酢液(酸性の液体)

試験管に割り箸を詰め込み、必ず試験管の口を少し下げてセットします。これは、発生した液体が加熱部分に逆流して試験管が割れるのを防ぐためです。

熱し始めると白い煙(木ガス)が出てきます。ここに火を近づけると、勢いよく燃え上がります!この現象は、中学入試の理科でも頻出のポイントですね。

ガスが出なくなったら加熱を止めます。試験管の中には、真っ黒になった自作の木炭が完成しています。

この木炭を乳鉢に入れ、細かく細かくすりつぶして粉末状にします。

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黒色火薬を作る:絶妙な配合のサイエンス

次に、木炭0.4g、硫黄0.6g、硝酸カリウム3.0gを乳鉢で混ぜ合わせます。これが「手作り黒色火薬」です。それぞれの成分には、大切な役割があります。

  • 木炭: 燃焼のための燃料となります。
  • 硫黄: 混合物の発火点を下げる役割をします(木炭単体よりも低い温度で燃え始めます)。
  • 硝酸カリウム: 加熱されると酸素を放出する酸化剤の役割をします。空気がなくても燃え続けるのはこのためです。

均一な灰色の粉になれば準備完了です。

職人技!和紙で火薬を包む

ここからは集中力が必要です。幅2.5cmほどに切った和紙の上に、薬さじで火薬を載せていきます。

成功のポイントは「空気の抜き方」です。火薬を真ん中に載せたら、空気を押し出すように折り込み、最後に指先で丁寧にねじり上げます。この「ねじり」が甘いと、火をつけた瞬間に火薬がこぼれ落ちてしまうので注意しましょう。

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いよいよ点火!自分だけの火花を愛でる

必ず水を入れた水槽の上で、試験管ばさみなどを使って持ちましょう。下の部分に火をつけると……。

うまくいけば、オレンジ色の「火の玉」ができ、そこからチリチリと繊細な火花が飛び出します!

市販の花火(amazon楽天)と見比べてみると、火花の大きさや色の違いに驚くはずです。市販品のクオリティの高さに感動すると同時に、自分で作った花火の「不器用な美しさ」には格別の愛着がわきますよ。

参考:さらに広がる花火の科学

もっと手軽に火花を楽しみたいなら、「セロテープと鉄粉」を使った簡易花火もおすすめです。鉄粉をつけたセロテープを燃やすだけで、意外なほどの迫力が楽しめます。

また、線香花火の他にも「ヘビ花火」など、化学反応を視覚的に楽しめる実験はたくさんあります。 https://phys-edu.net/wp/?p=45850

花火の「光と音のズレ」に注目して、そこから距離を計算してみるのも面白いですね。 https://phys-edu.net/wp/?p=43362

科学の目で世界を見れば、いつもの夏休みがもっと輝き始めます。安全に気をつけて、最高に熱い「自分だけの花火大会」を開催してみてください!

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