【テレビ番組「沸騰ワード10」にて科学監修】深海20mの恐怖!私たちの体にのしかかる〇〇トンの重さの正体とは?
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
テレビで見るあの過酷な訓練、実は私たちの身近な科学でできていた!
2021年12月3日に放送された日本テレビ「沸騰ワード10」の「海上保安庁・海猿訓練に密着!」という企画で、科学監修を担当しました。
番組で扱ったテーマは「水深20mでの水圧」。いったいどれほどの圧力がかかるのか、その大きさを視聴者の皆さんにわかりやすく伝えるにはどうすればいいか、という相談を受けました。
20mの深さって、どれくらい?
まずは、水圧の基本から考えてみましょう。水圧は水深が深くなるほど大きくなります。
水深10m:約1気圧の水圧がかかります。つまり、地上で私たちにかかっている空気の圧力(1気圧)と同じくらいの力が、体全体に加わるということです。
水深20m:さらに10m潜るので、2気圧分が追加されます。合計すると水深20mでは約3気圧の圧力がかかることになります。
この3気圧という数字だけでは、どれほどの力なのかピンとこないかもしれません。そこで、「1気圧」という圧力がどれほどの重さに相当するのかを考えてみました。
ゾウが乗っかる!?驚きの水圧の重さ
大人ひとりの体の表面積は、平均で約1.62平方メートルと言われています。この体全体に、水深20mでかかる3気圧の圧力が加わると、いったいどれほどの重さになるのでしょうか?計算してみると、その答えはなんと48.6トン。これは、なんとアフリカゾウ約8頭分にも相当する重さなんです!
この衝撃的な数字を「48600kg重」というテロップで表現することになりました。このテロップ案は、物理学者のルーウィン先生が著書『これが物理学だ!』で、難解な物理の単位を身近な「kg重」で説明していたことにヒントを得ました。
科学を伝える上で大切なのは、難しい知識をそのまま並べるのではなく、いかに身近なものに例えて、そのすごさや不思議さを感じてもらうかです。今回の番組監修を通して、僕自身も「どうすれば伝わるか?」という視点から改めて物理学を学ぶ貴重な機会となりました。
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