特別教養講座「未来食堂へ行こう!」を実施しました

ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。 

教科の垣根を超えた学びを目的とした「特別教養講座」を、はじめて夏季講座(3日間)に組み込んで実施をしてみました。タイトルは『未来食堂へ行こう!』です。未来食堂は職場の学校から徒歩2分の場所にある食堂で小林せかいさんという女性の方が一人でいろいろな仕組みをつくって切り盛りをしている食堂です。

未来食堂についてはこちらを御覧ください

その食堂のメニューを生徒に提案させてみようと思い、小林さんとコンタクトをとってみました。女性のキャリアとしても参考になるし、食の勉強にもなるのかなと思ったからです。定員は10名で募集していましたが、21名もの応募がありました。大きくはない店内にいって、小林さんと打ち合わせをしながら行う企画を考えていたため、21名は想定外でしたが、班を4つ作り2班ずつ時間差をつけて未来食堂に行くという形にして、定員を超えて実施をしました。

また中高合同で募集をしたため、中3から高3まで幅広い生徒が集まりました。いろいろな生徒と交流をとってほしいとおもって、わざと班にはいろいろな学年の生徒が集まるようにしてみました。

3日間しか講座はないため、国語科・理科・家庭科の教員から事前に課題を与えています。課題は小林さんの著書『ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由』(太田出版)を読んで、未来食堂のメニューを各自が考えてくるというものです。

また講座はできるだけ小林さんと生徒を出会わせたい問考えのもと、1時間学校でのワーク、その後未来食堂へ、というものを3回繰り返すことに小林さんと打ち合わせをしてなりました。

講座の1日目は、学校で8時30分から9時20分までおよそ1時間かけて各自が持ち寄ったメニューをもとに班の中で1つのメニューを作り上げて、その後、未来食堂にいってプレゼンにいきました。

授業がはじまると同時に、簡単に自己紹介をしたあと、メニューについて国語科の先生からそのポイントや栄養などについてのアドバイスがありました。それをとっかかりとして、生徒は考えていきます。今思えばはじめての人どうしなので、名札などを用意すればよかったなと思っています。

未来食堂にでかけてみると、小林さんはとても忙しくしており、カウンターをはさんで、生徒が並び、小林さんが作業をしながらのプレゼンとなりました(9時30分ころ訪れました)。

また学校で想定していた感じとは違って、小林さんが司会をするといい、小林さんの司会で場が進行していきます。突然「では端の方、今回の講座の目的を教えて下さい」などと指名をされたため、生徒も戸惑いながら一生懸命話をしていました。

班の発表では、カウンター越し、作業をしながらということもあり、声量が小さく、「大きな声をだして」など、小林さんから指示をうけながらも、なんとかプレゼンができ、いろいろな改善案を小林さんからいただきました。あとで感想をきくと、「戦場のようだった」と言っていて、印象に残っています。社会ではたらく、切り盛りをするということは、そういう面もあると思いました。

2日目は、1日目をうけてメニューの改善と、考案したメニューを紹介するチラシのたたき台(案)を作り、再度未来食堂に行き気合をいれてプレゼンをしました。教員はそれぞれの班をまわりアドバイスをだしていきますが、基本的には生徒に自由に作らせることを目的にしているため、見守る姿勢で望みました。昨日をふまえて、今度は事前にプレゼンの練習をしてから未来食堂にいきました。しかし一筋縄ではないかず、小林さんとのコミュニケーションを通した中でのプレゼンとなり、練習とは違った形となりました。

ただ生徒は今回は1日目をふまえて、練習もあり、物怖じせずに、小林さんに一歩前のめりになってアピールをしていました。メニューについては、ここで了解を得ることができましたが、チラシについては様々な改善案をいただきました。

このようなその場その場での対応が必要になるということは、生徒にも大きな学びになったのではないかとおもいます。教員が事前に用意したプレゼン練習というものも、実際には役に立たなかったわけですから、それも面白いし、なにが頼りになるのかもわからないということですよね。自分でどうにかせなあかん!と思ったと思います。

最終日の3日目は、チラシの最終案を作り、未来食堂へもっていきました。しかしチェックをもらうと、文字数をさらに減らすことや、絵を多く入れること、お客さん目線のコメントを入れること、「ご来店ありがとうございました。」などで最後をしめること、などいろいろな改善案をいただき、校内にもどって早速作り直しました。

教員がしたアドバイスと違う面もありますが、教員が正しいということではないということも生徒には学びになったのだとおもいます。ここでは小林さんが正しいとなります。

紆余曲折、試行錯誤の連続で、とうとうチラシも完成。

4つのチラシ

教員のほうで印刷をして、小林さんに渡してきました。実際にメニューになる、チラシになるとい経験、そしてプログラミング教育のような、提案と改善のスピードを素早く3日間をかけて繰り返せたこと、本当に良い経験です。また未来食堂が近く似合ったという立地も恵まれていたと思います。

このメニューは未来食堂で7月29日の週と8月5日の週に出されるとのことです(合計4回です)。生徒の考えたメニューの乗ったお盆の上に、生徒がつくったチラシもつけて出てくるそうです。いつでてくるのかは、その時のお楽しみです。

講座後の生徒は「すごく楽しかったです!」とか、「プレゼンとは何か?ということを学べた」、「小林さんの効率の追求に感動した」など、普段とはまた違った体験ができたようです。特にこの感想が良かったと思っていて、

「将来必ず役に立つであろうことを学べました。」

というものがありました。生徒にとって貴重な学びとなったようです。小林さんありがとうございました。来週から楽しみにしています。

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桑子 研(くわこけん)
 1981年群馬県生まれ。サイエンストレーナーとして全国で実験教室やICT活用講演会を開いている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)、『きめる!物理基礎』(学研)など10冊。