思考力・判断力・表現力を問う物理の問題にどう対応すればよいか?
河合塾で昨日開かれた「高大接続シンポジウム」の物理分科会に出てきました。いろいろと参考になったところがありました。今回は物理に限って、私の考え方も踏まえて紹介したいと思います。センター試験プレテストを解いてからでないと、よく意味が汲み取れと思いますので、初めての方は、こちらを御覧ください。解く中でいろいろなことを感じると思います。
ここでは、ぼくの感想も合わせて書かせていただきましたが、今回の研究会で得た情報とほぼ齟齬がありませんでした。私が言葉にできなかったことも整理していただいたので、とても参考になりました。
プレテストでは大きく傾向が変わっていますが、第1問と第4問については、今までのセンター試験と同様のもの、第2問と第3問は新傾向となります。今回の大学入試改革は、
知識・技能(物理でいえば? 知識→公式・原理 技能→公式への当てはめ、反復学習で身につくもの)に偏りすぎていたという反省から、思考力・判断力・表現力を問う問題までも測ろうというものが目的としてあります。プレテストででてきたのが、
表現力 → グラフをかかせて解かせるような問題
思考力 → 統合的思考力をとう(探究活動で身につくもの)
というもので、やらされている実験(教科書に載っているような実験のつい実験)では身につかない能力でもあります。中でも第2問でみられるように、
1 自分で課題を発見
2 仮設
3 実験・データ分析
4 新たな課題を発見
という流れで問題が組まれています。
課題の発見
仮設・実験
デー分析
大問3になりますが、新たな課題の発見
また、例えば 第2問 問3 には、「合理的」というキーワードがでてきます。
合理的
問われていることに合理的であるかどうかを問う問題で、合理的という言葉はでてきませんが、第3問 問6にも、 「ブレーキで発生した熱を車内の暖房にもちいる」という選択肢について、非現実的ですが物理法則に反してはいないから、これを選ぶという合理的な判断がもとめられます。そんな意味では、暗記ではなくその場で考える必要があります。
ということは、すでにそのようにしている先生が多いとは思いますが、
→ 普段の実験の考察などで、物理的に誤りがあったとしても、今回の実験結果から照らし合わせてみて、合理的であれば評価していく
ことが大切になります。
また実験をおこなったあとに、「あなたなら次にどうする?」という問いかけのようなものも必要かもしれません。「課題の把握」「仮設の設定」「新たな課題の発見」を含む、探究活動に取り組ませることが大切になります。
今回の研究会では、探究活動について高1・高2で取り組まないと間に合わないのではないかという提言もされていました。いろいろ動いてきた大学入試改革。みなさんはどのような取り組みをしていきますか?
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