イージーセンスの社長Steave Whitleyさんオススメの電磁気学の実験
イージーセンスの社長とお会いすることができました
ぼくが大好きな実験道具の中に、イージーセンスというセンサー機器があります。これはナリカで売られているものですが、開発元はイギリスのData Harvest社です。
そのData Harvest社のManaging Director(取締役社長)のSteave Whitleyさんが、先日実験事例を見せてほしい、また新製品を紹介したいということで、ナリカのKさんの紹介で来日中にぼくにわざわざ会いに来てくれました。
Steave Whitleyさん
今回はこの貴重な経験から、
▼ ① Steave Whitleyさんが教えてくれた電磁気学の実験
の3点について、順番にお伝えしていこうと思います。とっても光栄な時間をすごせ、いろいろな新しい情報をくださり、最後にはセンサを一つプレゼントしていただけるという、夢のような時間でした。
① Steave Whitleyさんが教えてくれた電磁気学の実験
ぼくが用意しておいた実験は、電気振動の実験です。コンデンサーとコイルを用意して、ブレッドボードを使って、電気振動の様子を演示しました。
Steave Whitleyさんとは英語で会話をしていくのですが、ぼくはあまり英語が得意ではないので、身振り手振りでコミュニケーションをとっていきます。もちろん物理の話であるので、Steave Whitleyさんが言っていることは理解できるのですが、思いを英語にして伝えることに苦労をしました。
ただ、電気振動の様子を見せると、すぐに「Oh!!」といって、理解をしてくれました。頭のキレと良さを垣間見たのですが、Steave Whitleyさんに聞くとイージーセンスの実験例は700くらいあり、その500くらいが物理分野だそうです。それらの事例をいろいろなところで見てきたので、すぐにわかるのだそうです。
電気振動の実験は何度も見たことがあるとのことでした。ただし、ぼくが行っていた電気振動の実験は、ブレッドボードを使うことにより回路の様子がよく見えていて、それが生徒実験において珍しい事例だったそうです。
Steave Whitleyさんが今まで見てきた事例では、電気振動の回路が組まれているボックスのような出来合いのものだったようです。生徒が作れるという面で良いねといっていました。
その後、実際の活用例として、電磁誘導とイージーセンスの電圧センサを組み合わせた実験を紹介すると、Steave Whitleyさんが見せてくれたのが、同じような実験なのですが、コイルの中に磁石を落として、V-tグラフを描くというものでした。
(設定は200ms、測定間隔は200μs)
センター試験で見たことのある電圧のグラフが滑らかにできあがり、美しさにため息がつきました。そしてSteave Whitleyさんが質問をします。
「1回目の電圧の最大値と、2回目の電圧の最大値を比べると、2回目の電圧の最大値のほうが大きくなっているが、これはなぜでしょうか?」
ちょっと考えてしまったのですが、ピンときました。この質問をすると、よく生徒から、
「片方の磁極のほうが大きいのではないか?」という質問を受けるそうです。そのために、磁極の向きを変えて、もう一度同じ実験をするそうです。そして考えさせるのだとか。良い実験を教えてもらいました。
さらに、グラフ全体を積分してみると、ちょうど面積が足して「0」になっているという事実も教えていただき、おもしろかったです。速度がゆっくり近づく前半では、最大値があがらないものの、時間が長くかかるので面積が横に伸び、速度がはやく遠ざかる後半では、最大値は大きいものの、時間が短くなることと関係があります。
またもう一つの実験として、コイルのまわりで、磁石に輪ゴムをつけて輪ゴムのねじれをつかって回転させてみるという実験を教えてもらいました。
これやってみるととっても面白い。うなりのようなグラフが描かれるのですね。回転とねじれの力学・電磁気学なので、高校の範囲外ではありますが、興味深いです。ねじれの速度と回転と電磁誘導の数式を組み合わせると、うなりと同じような式が出てくるのでしょうね。
次回はいち早く触らせてもらった、「② 新しくでるイージーセンスのここがすごい!」についてご紹介したいと思います。
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