電気の鼓動を可視化する!イージーセンスで電磁誘導を感動のライブに変える方法
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

「理科の実験って、教科書で見るのと実際に見るのでは大違い!」そう感動した経験はありませんか? でも、教える側としては悩ましいこともあります。目に見えない電気の世界、特に「一瞬の現象」をどうやって生徒たちにリアルに伝えるか、という問題です。今回は、そんな悩みを一気に解決してくれるデジタル計測器イージーセンスを活用した、魔法のような演示実験のコツをご紹介します。
見えない電気を「物語」に変えるイージーセンス
みなさんは、中学理科のハイライトの一つである「電気ブランコ」の実験をどのように見せていますか? まずは基本の復習です。磁石がつくる磁界の中に吊るしたコイル(ブランコ)に電流を流すと、フレミング左手の法則によってブランコが力強く動き出します。
そして、その「逆」の現象こそが、現代文明を支える発電の原理電磁誘導です。コイルを検流計につなぎ、手でブランコを揺らして磁界を変化させると、コイルに電流が流れます。
これまでは、検流計の針がピョコピョコと動く様子を見せていましたが、どうしても「地味」になりがちでした。針の動きが速すぎて、何が起きているのかをクラス全員で共有するのは至難の業です。そこで登場するのがイージーセンスです。これを検流計の代わりに接続すると、一瞬の電気の動きが巨大なスクリーンに映し出される「ライブ映像」に変わります。
実験のプロが教える「電圧センサ」を使うべき理由
ここで、実験を成功させるための重要なポイントがあります。 実は、イージーセンスを使う際、電流センサではなく電圧センサを使うのが「通」のやり方なのです。

なぜ電流センサではいけないのでしょうか? 電流センサを繋ぐと、回路に実際に大きな電流が流れてしまいます。すると、せっかくのブランコの運動エネルギーが電気エネルギー、さらにはジュール熱へと変わってしまい、ブランコがすぐに止まってしまうのです。一方、電圧センサは内部抵抗が非常に高いため、ブランコの動きを邪魔することなく、発生した誘導起電力を正確にキャッチしてくれます。こちらの動画を御覧ください。
いかがでしょうか。電圧と時間の関係が美しいV-tグラフとしてリアルタイムで描かれていきます。 「右に振れたときはプラス、左に振れたときはマイナス」という電気の向きの変化が、波のようなグラフとして目に見える形になる。これには生徒たちからも「おおっ!」と歓声が上がります。
イギリスの生みの親から授かった秘策
この実験をさらにブラッシュアップするための「裏技」があります。 幸運なことに、イージーセンスを世界に送り出しているイギリス・データハーベスト社の社長、WHITELYさんと直接お話しする機会がありました。現場での実践を伝えたところ、社長からこんなアドバイスをいただきました。 「電圧が0.2V程度であれば、プラスマイナス1Vのレンジを持つ電圧センサを使うのがベストだよ」と。
適切なレンジを選ぶことで、グラフの解像度が上がり、より滑らかで説得力のあるデータを提示できるようになります。まさに、生みの親直伝のテクニックですね。デジタルの力を借りることで、理科室の小さな実験が、宇宙や社会の仕組みへとつながるダイナミックな学びへと進化します。ぜひ、みなさんの教室でも「見えない電気の鼓動」を可視化してみてください!
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