暗記だけじゃ忘れる!電流計の使い方を「体感」でマスターする裏技
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
理科の実験中、生徒が電流計を壊してしまわないかヒヤヒヤした経験はありませんか?あるいは、生徒の皆さん自身、「どっちの端子につなぐんだっけ?」と迷ったことはないでしょうか。
「電流計のマイナス端子は、一番大きな数字(5A)からつなぐ」。
これは理科の授業で必ず習う「鉄則」です。しかし、テストのために言葉で暗記しても、その本当の意味を体感していないと、いざ実験という時に忘れてしまいがちです。今回は、手回し発電機を使って、なぜその手順が必要なのかを「身体で覚える」ためのユニークな実験手法をご紹介します。この感覚を知れば、もう二度と端子選びに迷うことはなくなりますよ。

電流計の操作、自信を持ってできていますか?
中学生のみなさん、なぜ電流計や電圧計の端子を大きい方からつなげばいいのか、その理由をすぐに答えられますか? プラス(+)の赤い端子は一つしかありませんが、マイナス(−)の黒い端子は3種類(50mA、500mA、5Aなど)もありますよね。意外と高校生になっても、この基本操作を忘れてしまっている生徒が多く、指導に困っている先生方も多いのではないかと感じています。
このような実験機器の手順に関する問題は、中学入試や高校入試でもよく出題されるため、中学1年生のうちはよく覚えています。ただ、「知識」として覚えているだけで、「実感」として覚えていないのがネックです。そのため、もうこの時期(冬ころ)になると忘れてしまっている生徒も多くいます。そんな悩みを解決するために、今回は理屈抜きで身につく「端子の選び方」の教え方をご紹介します。
手回し発電機で「電流の威力」を体感する!
そこでお勧めしたいのが、手回し発電機を電流計に接続してみるという方法です。電池ではなく、自分の手で電気を作ることで、電流の強弱をダイレクトに感じることができます。
まず、電流計の最大の端子、5Aにつないで手回し発電機を回してみます。するとどうでしょう。思いっきりグルグル回しても、針は少し振れる程度で、メーターが右端まで振り切れるということはまずありません。
次に、端子を小さい方(500mAや50mA)につなぎ変えてみてください。ここで一つ、絶対に守ってほしい約束があります。それは、ハンドルを「ゆ〜〜っくりと」回すことです。
いかがでしたか? ほんの少し指先で回しただけなのに、針がビュン!と大きく動いたはずです。「もし、この状態でさっきのように思いっきり回していたら…?」と想像すると、少し怖くなりませんか? そう、メーターが激しく振り切れて、針が折れたり内部のコイルが焼き切れたりして壊れてしまうことが、直感的に理解できるのです。
繊細なセンサーを守るための「作法」
電流計の50mA端子などは、微弱な電流でも測れるように、とても感度が高く、繊細に作られています。 例えるなら、キッチンスケール(料理用はかり)に、いきなり重たいボウリングの玉を乗せるようなものです。針が振り切れてバネが壊れてしまいますよね。だからこそ、まずは体重計のような「大きな重さ(電流)まで測れるもの」に乗せてみて、軽ければキッチンスケールに変える、という手順が必要なのです。
このように、いきなり小さい端子につなぐことは、いきなり未知の電流を流して計器を破壊するかもしれないという危険性を含んでいます。
「5Aから試していく」というルールは、単なるマニュアルではなく、精密機器を守るための安全策だったのです。5Aの端子につないでも針がほとんど動かないときだけ、小さい端子に変えていく。この手順の意味が、手回し発電機の「手応え」と共に記憶に刻まれるはずです。ぜひ、ちょっとしたことなのですが体験してみてください。一度の体験は、百回の暗記に勝ります。
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