白い画面は白くない!? 液晶テレビの秘密をのぞいてみよう(光の三原色)
液晶テレビをよく見てみると、驚きの事実発見!
「光の三原色って、生徒にどうやって実感させようかな……?」そんなことを考えながら、授業準備に悩む理科の先生に朗報です。特別な機材や実験装置を使わなくても、なんとご家庭の液晶テレビとスマートフォンさえあれば、光の三原色を“見て”理解する実験ができちゃうんです。もちろん学校でも応用できます。テレビではなく、パソコンの液晶ディスプレイやタブレットでも同じような観察が可能なので、視聴覚室やパソコン教室での観察にもぴったり。目に見える形で「光の三原色」や「色の合成」を教えることができるので、実感を伴った理解にばっちりつながります。今回はそんな実験を、理科の授業で活用しやすい形でご紹介します。
ご自宅でもすぐにできる!液晶の画素がわかる観察実験
科学のレシピ
用意するもの:
• 液晶テレビ(またはパソコン、タブレットなどの液晶ディスプレイ)
• スマートフォン(デジタルカメラでもOK)
方法:
1. 液晶画面にスマートフォンを近づけて、なるべくピントが合うように写真を撮ります。
※できれば画面の白い部分や赤・青・黄色など、いろいろな色を表示させると観察しやすくなります。
2. 撮った写真をスマホ上で拡大していきます。
結果はこちら:
拡大すると…
• オレンジの部分:赤が強く、緑が少し混ざっている
• 白い部分:赤・緑・青すべてが光っている
• 黄色い部分:赤と緑がほどよく光っている
面白いですよね!
こちらはパソコン画面を同様に見たときの様子です。
目で見てもOK、でも注意点も…
虫眼鏡やルーペで直接画面を見る方法もありますが、画面がちらついたりして目に負担がかかることもあります。その点、スマホの写真で観察する方法なら安心ですし、教室での共有もしやすいです。
理科の知識ポイント
液晶テレビやモニターの画面は、**赤(R)・緑(G)・青(B)の3つの色の光を使って、さまざまな色を表現しています。これを光の三原色(加法混色)**といいます。
• RGBが1セットになって1画素
• フルHDのテレビでは1920×1080 ≒ 約200万画素
• 4Kテレビではその4倍、約800万画素!
そして、このRGBの組み合わせと光の強さの違いで、私たちが見る色が決まっているんですね。
たとえば――
• 白色:R・G・Bすべてが強く光っている
• 赤色:Rが強く、GやBは光らない
• 黄緑色:Gが強く、Rがやや加わる
などなど、拡大して見ることで「本当にそうなってる!」と視覚的に理解できます。
授業での活用アイデア
• 光の三原色の導入に:実際に観察してから理論へ進むと、生徒の興味もUP!
• 自由研究や課題レポートにも:身近なものを使った探究として使えるネタ
• ICT機器を活用した理科授業として:タブレットやスマホとの連携もできる
まとめ
ちょっと引いて見れば「白い」画面でも、少し拡大すると「赤・緑・青」の組み合わせが見えてくる。このギャップが、生徒にとって「理科って面白い!」と感じるきっかけになるかもしれません。ぜひ授業やご自宅で試してみてください!
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