スプーンが教会の鐘になる日〜音と振動のふしぎ実験〜(中1 音)

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

皆さんはスプーンの本気の音、きいたことがありますか?そう、あの毎日給食で使ってる、なんてことのないスプーンです。でも、これが――めっちゃすごいんです。

まるで教会の鐘のような、「カァ〜ン」という澄んだ音色が鳴り響くんですよ。思わず「え、スプーンでこんな音が!?」と叫びたくなるくらい、美しい音が耳に届くんです。これは、中学生にも大ウケまちがいなしの、手軽にできるサウンドサイエンス!

しかも、必要なのはスプーンと糸だけというお手軽さ。準備時間5分、理科室でも家庭科室でも、どこでもOK!音の伝わり方や振動の単元で「導入実験」として入れれば、注目度MAX。静かな理科室に響く「スプーンの本気の音」で、生徒たちの心をぐっとつかんでみませんか?

では、その方法を紹介します。

科学のレシピ:スプーンの音を聴く!

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【用意するもの】
• スプーン(ステンレス製がおすすめ。100円ショップのものでOK)
• 糸(タコ糸や木綿糸など、しっかりしたもの。長さは約1メートル)

【実験の手順】
1. 糸を1mくらいの長さに切り、真ん中にスプーンを結びつけます。

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2. 糸の両端を、自分の左右の人差し指にくるくると巻きつけます。

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3. 指を耳の穴に軽く差し込んで、糸をピンと張ります(糸がたるまないように注意!)

4. この状態で、誰かにスプーンを叩いてもらいましょう。机の端に軽くぶつけてもOK。

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※ひとりプレイ可能です!自分でスプーンをゆらして机にコツンと当てればOK。

どんな音がするの?

耳の中に直接伝わってくるような、クリスタルのような「カァーン」という音が聞こえてきます。空気ではなく“糸”を通して音が伝わるので、普通に聞くのとはまったく違う、澄みきった音になります。

この「糸を通して音が伝わる」という仕組みは、音の伝わり方や振動に関する授業の絶好の導入になります!

• 導入にぴったり:中1「音の伝わり方」、中3「科学技術と人間」などの授業で活用できます。

• スプーンは多めに用意を:1グループ1セットで回せるように、スプーンと糸は複数準備を。

この方法は、ナリカサイエンスアカデミーの小森栄次先生から教えていただいたものです。高校の「弦の振動」でも大好評とのこと。中学生でも十分楽しめて、理科の「体験」にもつながるステキな実験です!

スプーンは100円ショップでも手に入りますし、コストも準備もラクラク。ぜひ次の授業で、「音」の世界への第一歩として、スプーンに活躍してもらいましょう!

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