アルコールコップロケットを飛ばそう!(熱力学第一法則)
化学反応の力で紙コップを飛ばしてみましょう!
スカッとして、気体の性質も学べる実験の紹介です。
科学のレシピ!アルコール爆発と熱力学
みなさんは自宅で除菌用のアルコール消毒液を使っていますか?例えば次の「アルボナース」のようなものです。
もし使っていたら、このアルコール消毒液を使って、気体を急激に膨張させて、気体に仕事をさせてみましょう。安全にできて、爆発が楽しい熱力学の実験のはじまりはじまり。お母さんも、ぜひお子さんに見せてあげてくださいね(^^)
まずはこちらの動画を御覧ください。
今回用意するものは、全部身近にあるものです。ですので、自宅でも楽に実験することができます。火を使う実験なので、大人がいっしょに立ち会ってあげてくださいね。
科学のレシピ
用意するもの
紙コップ、アルミ缶、缶切り、キリ、消毒用のアルコール、ライター、濡れ雑巾、ばけつ
実験手順
① アルミ缶の上部(口をつけて飲む部分)を缶切りであけて取ります。
② アルミ缶の下部に小さな穴を「きり」であけます。床において、上から力を垂直に加えるようにして開けましょう。丸いくて転がりやすいので、怪我に注意をしてくださいね。
③ 消毒用アルコールを缶の中に2ふき入れます。それ以上は入れないでください。
④ 紙コップで軽く蓋をして、少し振って下さい。
⑤ 濡れ雑巾とばけつを用意してから、下部の穴に、チャッカマンで火を近づけます。
結果:
すると、「ぽん!」というアルコールの爆発とともに、中の気体の温度が急上昇し、気体が膨張します。このことによって、紙コップが「ポーン」と高く飛びあがります。
2ふき以上アルコールを入れるなど、入れすぎてこの実験を行うと、爆発した後、発射台となる缶の中に残ったアルコールが、炎をあげてもえるので、すぐに触ることの無いように注意をしてください。
※ 消毒用アルコールには少量の塩素が入っているものがあるので、実験後の気体をあまり吸い込まないように、念のため気をつけてください。
熱力学第一法則や、この実験については、拙著『大人のための高校物理復習帳』に書きました。原理など参考にしてみてください。
サーモグラフィーでも撮影してみました。目にはみえないアルコールの燃えている様子や温度上昇の様子も確認できます。
熱エネルギーを与えると、気体が仕事をして、気体の内部エネルギーも上昇することがよくわかりますね。
科学の情報はこちらにも掲載しています。
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桑子 研(くわこけん)
1981年群馬県生まれ。サイエンストレーナーとして全国で実験教室やICT活用講演会を開いている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)、『きめる!物理基礎』(学研)など10冊。