Googleレンズよりピタッと同定!千葉県立中央博物館のWeb図鑑で植物を特定できる!

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

植物の同定は、野外観察の醍醐味であると同時に、生徒がつまずきやすいポイントでもあります。私自身、生徒から「これ、なんていう植物ですか?」と聞かれて、すぐに答えられない歯がゆい思いをしたことが何度もあります。そんな時、非常に強力な味方となるウェブサイトがあることをご存知でしょうか? それが**千葉県立中央博物館の「野草・雑草検索図鑑」**です。今回は、この素晴らしいサイトを中学校の理科授業でどのように活用できるか、具体的な準備方法や手順を交えてご紹介したいと思います。

「野草・雑草検索図鑑」を使ってみよう!

千葉県立中央博物館の「野草・雑草検索図鑑」(http://chiba-muse.jp/yasou2010/)は、その名の通り、日本の野草や雑草について網羅的に調べられるオンライン図鑑です。

授業準備での活用方法

授業で野草観察を行う際、事前に生徒に見つけさせたい植物をいくつかピックアップしておくことは、授業をスムーズに進める上で非常に重要です。このサイトを使えば、その下調べが格段に楽になります。

  1. 観察場所のリサーチと候補となる植物の選定: まず、学校の敷地内や近隣の公園など、実際に生徒が観察する場所を下見し、どのような野草が生えているかをざっくりと把握します。その中で、特徴が分かりやすく、生徒が同定しやすい植物をいくつか候補として選んでおきましょう。

  2. 「野草・雑草検索図鑑」での情報収集: 選んだ候補の植物について、この図鑑で詳しく調べます。サイトの左側にあるメニューから、**「ロゼットの有無」「草丈」「葉のつき方」「葉脈の形」「花の色」**など、植物の特徴を入力していきます。

    例えば、「セイヨウタンポポ」をイメージして検索してみましょう。

    • ロゼット: あり
    • 草丈: 5〜10cmくらい
    • 葉のつき方: 根生(こんせい)
    • 葉脈: 網状脈(もうじょうみゃく)
    • 花の色: 黄色

    このように複数の特徴を入力して絞り込んでいくと、目的の植物にたどり着くことができます。実際に試してみると、驚くほど簡単に「セイヨウタンポポ」のページが見つかりました。

  3. 詳しい情報の確認: 植物のページには、基本的な情報はもちろんのこと、季節ごとの見え方や、花の拡大写真葉の形など、詳細な情報が掲載されています。これらの情報は、生徒が野外で植物を観察する際のヒントとして非常に役立ちます。

理科の知識を深めるポイント

このサイトを活用することは、単に植物の名前を知るだけでなく、理科の知識を深める良い機会にもなります。見つからない植物があれば、必要に応じてスマートフォンで写真を撮り、画像解析アプリ(Googleレンズなど)を活用するのも良いでしょう。このサイトと画像解析アプリを組み合わせることで、より効率的に、そして楽しく植物の学習を進めることができます。

千葉県立中央博物館の「野草・雑草検索図鑑」は、中学校理科の植物分野の授業をより豊かに、そして生徒にとって魅力的なものにするための強力なツールです。ぜひこのサイトを授業準備に活用し、生徒たちと一緒に身近な植物の世界を深く探求してみてください。きっと、新たな発見と感動が待っているはずです。

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