ノーベル賞の晩餐会へようこそ!科学の夢が詰まったストックホルム市庁舎探訪記

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

日本人研究者のノーベル賞受賞のニュースに、胸が熱くなった方も多いのではないでしょうか。テレビの向こうで輝くメダルと、豪華絢爛な晩餐会…。あの科学の栄光の舞台は、一体どんな場所で、どんな空気が流れているのでしょう?実はその裏側には、ダイナマイトの発明で巨万の富を築きながらも、その破壊力に心を痛め、人類の幸福を願った男、アルフレッド・ノーベルの深い想いが息づいています。

今回は、そんな科学の夢と歴史が詰まった聖地、スウェーデン・ストックホルムへの旅に2015年に行ったので、ご案内します。

知の聖地へ!ストックホルム市庁舎への道のり

今年も日本人から2人の受賞者が出て、日本中が歓喜に沸きましたね。そんなニュースを見るたび、数年前に訪れたスウェーデンでの体験が鮮やかによみがえります。私の旅の大きな目的、それはノーベル賞の晩餐会が開かれるストックホルム市庁舎をこの目で見ることでした。

ストックホルムの街に降り立つと、さっそく地下鉄の駅でノーベル博物館のポスターが出迎えてくれました。街全体が、この世界的な賞を誇りに思っていることが伝わってきて、期待に胸が膨らみます。

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逸る気持ちを抑え、目的地の市庁舎へ。この歴史的な建物の内部を見学するには、ガイドツアーへの参加が必須です。あいにく日本語ツアーは無かったため英語ツアーに申し込み、いよいよ知の殿堂の内部へと足を踏み入れました。

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この市庁舎、1923年完成と意外にも歴史は浅いのですが、まるで中世から時を刻んできたかのような威厳と風格が漂います。建築家エストベリのこだわりが詰まった、まさにノーベル賞の舞台にふさわしい場所です。

テレビで見たあの場所!栄光へと続く階段と「黄金の間」

中庭から建物に入ると、目の前に飛び込んできたのは…テレビのニュースで何度も見た、あの有名な大階段!受賞者とパートナーが腕を組んで、この階段をゆっくりと降りてくるシーンが目に浮かびます。

そして、晩餐会が開かれる「青の間」を通り、一行はパーティー会場となる「黄金の間」へ。その名の通り、部屋全体がまばゆい黄金の光に包まれていました。

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息をのむほど豪華な「黄金の間」。壁を埋め尽くすのは、なんと1800万枚以上もの金箔を使ったモザイク画だそうです。

このきらびやかな空間で、世界中から集まった最高の頭脳たちが、互いの功績を称え、語り合う…。想像するだけでワクワクしてきますね。ツアーでは、実際に晩餐会で使われる食器や、ノーベル賞メダルのレプリカも展示されていました。

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科学の味?お土産はアルフレッド・ノーベルのメダルチョコ

市庁舎の地下にあるレストランでは、なんと過去のノーベル賞晩餐会で出されたものと同じメニューを注文できるそうです。今回はフォーマルな服装でなかったため断念しましたが、いつか受賞者たちが味わった「知の味」を体験してみたいものです。

その代わりに、スカンセン博物館のお土産屋さんで、素敵なものを見つけました。それは、ノーベル賞のメダルをかたどったチョコレート!

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もちろん、すぐに買ってかじってみました。甘いチョコレートの味と共に、科学への憧れが口の中に広がったような気がしました。

実はストックホルムは大学院生の時以来、2回目の訪問でした。前回はただただ美しい街並みに感動するばかりでしたが、今回は科学の歴史と偉人たちの息吹を感じる、特別な旅になりました。

いつの日か、今度は受賞者としてこの地に戻ってきたいものですね!

【番外編】ストックホルムで知的好奇心をくすぐる寄り道スポット

ノーベル賞の舞台以外にも、ストックホルムには知的好奇心を刺激される場所がたくさんあります。

▼世界遺産「森の墓地」
広大な自然と墓地が一体となった空間。生命や自然について、静かに思いを巡らせることができます。

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▼スカンセン野外博物館
スウェーデンの古い建物が集められた、歴史を感じられる場所。人々の暮らしの知恵や工夫に触れることができます。

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野生のリスを発見!

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▼ゴットランド島 ヴィスビューの図書館
観光地ではありませんが、旅先でふらりと立ち寄る図書館は、その土地の文化や知性に触れられる素敵な場所です。

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▼ヘルシンキ アカデミア書店
こちらは帰りに寄ったフィンランド・ヘルシンキですが、光が差し込む開放的な空間は、まさに「知の森」。何時間でも過ごせそうな場所でした。

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