救急車のサイレンの謎、ギターを振れば解明できる!?お家で簡単ドップラー効果実験
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
はい、承知いたしました。理科教師兼プロのライターとして、いただいたブログ記事を、読者が「え、そんな簡単なことで!?」と驚き、すぐに試したくなるような、科学の面白さが詰まった内容にリライトします。「ピーポー、ピーポー…」と近づいてくる救急車のサイレン。すれ違った瞬間、急に音が低くなったように感じた経験、ありませんか? あの不思議な現象、実は「ドップラー効果」という名前がついています。
「なんだか難しそう…」と思いましたか? 大丈夫! なんとこの宇宙の法則の一端を、お家にある「ギター」一本で、いとも簡単に体験できてしまうんです。今回は、音楽と物理が融合する、驚くほど簡単な科学実験をご紹介します!
科学のレシピ:ギターで奏でるドップラー効果
さあ、早速実験してみましょう。キッチンに立つ必要はありません。必要なのは、あなたの探求心とギターだけです!
用意するもの:ギター1本
手順:
- ギターの弦を「ジャラーン」と鳴らします。
- 音が鳴っている間に、ギターのヘッド(頭の部分)をしっかり持って、振り子のようん揺らします。
たったこれだけ! 救急車と同じように、音を出しているもの(音源)が自分に対して近づいたり遠ざかったりすることで、音の高さが変化します。これがドップラー効果です。「本当に音が変わるの?」と思いますよね。言葉で説明するよりも、実際に聴いてみるのが一番です。ほんのわずかな変化ですが、耳を澄まして聴いてみてください。
でも、なぜ音の高さが変わるのでしょうか? 音は「波」として空気中を伝わります。音源がこちらに近づいてくるとき、音の波がぎゅっと押し縮められて、波の間隔(波長)が短くなります。これが「高い音」として聞こえる正体です。逆に、遠ざかるときは波が引き伸ばされて間隔が広がり、「低い音」として聞こえるのです。ギターを振ることで、この波の圧縮と伸長を人工的に作り出しているわけですね。
動画で聴き比べてみよう!
特に、高い音(波長が短い音)の弦で試すと、波の変化の割合が大きくなるため、私たちの耳は変化を感じやすくなります。ぜひ、一番細い1弦で試してみてください。
ギターを振ると音の大きさも変わってしまうので、少し聴き取りにくいかもしれません。でも、静かな部屋で集中してやってみると、きっと科学の不思議な現象をその耳で捉えることができるはずです。
ギターから宇宙へ?この現象、実は天文学にも!
「だから何?」なんて言わないでくださいね。このドップラー効果、実はとんでもないところで大活躍しているのです。それは、遥か彼方の宇宙を観測する天文学の世界。
遠くの星からやってくる光も、音と同じ「波」の仲間です。天文学者たちは、その星の光の波長が、本来の色よりも少しだけ赤色の方にズレていないかを調べます。もし赤側にズレていれば、それは波が引き伸ばされている証拠。つまり、「その星は、私たちの地球から猛スピードで遠ざかっている」ということがわかるのです!
この発見によって、私たちの宇宙が今もなお膨張し続けているという、壮大な事実が明らかになりました。たった一本のギターを振る実験が、宇宙の謎を解き明かすヒントと繋がっているなんて、なんだかワクワクしませんか?
ちなみに、この実験で使ったギターは、楽器の街・御茶ノ水で3,000円ほどで手に入れたものです。たった数千円で、音楽も楽しめて、宇宙の法則まで体感できるなんて、最高の教材だと思いませんか? ぜひ、皆さんも身近なもので科学を楽しんでみてください!
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