【雨の日もOK!】教室で虹を作れる!ペットボトルが「光の分散」の魔法ツールに!
理科の授業で「光の性質」、特に「光の分散」の概念を扱うとき、どのように生徒たちの好奇心を刺激していますか? 「光は色々な色に分かれるんだよ」と口頭で説明しても、やはり実際にその現象を見せてあげたい、そう思いませんか?
晴れた日に外に出て、水道ホースで水しぶきを上げれば、美しい虹を観察できるのはご存知の通りです。太陽に背を向けて、きらめく水滴に光が反射し、鮮やかな七色のアーチが現れる瞬間は、まさに感動そのもの! 私も以前、生徒たちと校庭で虹を作ってみたことがあるのですが、その美しさに目を奪われ、なかなか授業に戻れなかった苦い経験があります(笑)。それに、天候に左右されるため、いつでも見せられるわけではないという課題もありますね。
そこで今回ご紹介するのは、どんな天気の日でも、そして教室の中でも、手軽に、しかも驚くほど鮮やかな虹を再現できる実験です! 準備も簡単で、生徒一人ひとりが自分の目で「光の分散」の美しさを体感できる、とっておきの方法。さあ、この魔法のような「科学のレシピ」を一緒に見ていきましょう!
科学のレシピ:身近なペットボトルが「虹製造機」に!
この実験の主役は、なんと1.5Lの丸型ペットボトルです! そう、あの三ツ矢サイダーなどで使われているような、円筒形のペットボトルが、光の分散を美しく見せてくれる魔法の道具になるんです。
【用意するもの】
- 1.5Lの丸型ペットボトル(三ツ矢サイダーなどの、表面が滑らかなものがおすすめ)
- 水
- 白色ライト(LEDライトが特におすすめです。後述しますが、光量が重要!)
【実験方法】
- ペットボトルに水を満たす:
- まず、三ツ矢サイダーなどの丸型ペットボトルに水をいっぱいに注ぎます。空気の泡があまり入らないように、ゆっくりと満たしましょう。
- 部屋を暗くして光を当てる:
- 実験を行う部屋をできるだけ暗くします。カーテンを閉め、電気を消しましょう。
- 次に、ペットボトルに白色ライトの光を当てます。ポイントは、壁に背を向けて、ライトをペットボトルに当てることです。すると、ペットボトルの中で反射された光が、あなたの背後の壁に映し出されるはずです。
- 光の角度を調整して観察する:
- ライトの角度を少しずつ変えながら、壁に映る光をじっくり観察してみてください。
- するとどうでしょう! 壁には、鮮やかな七色の虹が浮かび上がっているはずです!
- [観察できる虹の例の図(もしあればここに画像リンクを貼る)]
この方法なら、各班に一つペットボトルとライトを用意するだけで、生徒全員が虹を簡単に、しかも感動的に見ることができます。実際にやってみると、写真で見るよりもずっと綺麗で、思わず「おお!」と声が出てしまうほどの美しさです。そして何より、教室の中で完結するので、実験後もすぐに授業に集中できるのが、先生方にとっては嬉しいポイントですよね!
100円ショップのライトで「感動」は変わる!
ちなみに、私がこの実験で使っているライトは、実は100円ショップで手に入れたものです。以前は別のライトを使っていたのですが、今回使った新しいライトの方が、光量が強く、よりクリアで鮮やかな虹を映し出してくれました。
正直なところ、「はじめからこっちにしておけばよかった!」と、ちょっと悔やんでいます(笑)。光の強さ一つで、見え方がこんなにも変わるのかと、改めて感じさせられました。
虹ができる科学的なワケ:光の「分散」を理解する
この美しい虹ができる現象は、「光の分散」という科学的な原理によって説明されます。
太陽の光や白色ライトの光は、実はさまざまな色の光(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫など)が混ざり合ってできています。これらの光が、水滴(今回の実験ではペットボトルの中の水)の中に入るとき、それぞれの色で進む速さがわずかに異なるため、曲がる角度(屈折率)もわずかに変わってきます。
[ペットボトルの断面にはいった光の様子の図(もしあればここに画像リンクを貼る)]
上の図のように、
- 赤い光は、他の色に比べて水の中での曲がり方が小さく(屈折率が小さく)、比較的まっすぐ進むため、虹の外側に現れます。
- 一方、紫の光は、水の中での曲がり方が大きく(屈折率が大きく)、より大きく屈折するため、虹の内側に現れます。
このように、光が水滴の中で色ごとに異なる角度で屈折・反射することで、光が色に分かれ、七色の虹として私たちの目に届くのです。
この実験は、小学生でも楽しめるほどシンプルでありながら、光の屈折や分散といった、物理学の奥深い原理が隠されている、実に魅力的な実験です。
先生方は、光の波動(光波)の範囲で、他にどのような実験を生徒に見せていますか? ぜひ、皆さんの活用事例も教えてくださいね!
さて、次の実験では、このペットボトルを使って「夕日」を再現してみましょう! お楽しみに!
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