誰が握りつぶしている? ペットボトルが「ベコン!」とへこむ科学の謎(大気圧)
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
誰もいない静かな部屋で、机の上のペットボトルが突然「ベコン!」と大きな音を立ててひしゃげる……。そんな、まるで透明な巨人が握りつぶしたかのような光景を目にしたことはありませんか?
一見すると怪奇現象のようですが、これこそが私たちの身の回りに常に存在している「空気の力」の正体なのです。今回は、お家にある身近な道具だけで、その目に見えない力、「大気圧」の凄まじさを体感できる実験をご紹介します。
「誰が潰したの?」ペットボトルがへこむ不思議な実験
この実験に必要なものは、どこのご家庭にもあるものばかりです。
【用意するもの】 ・ペットボトル(500mlから1L程度がおすすめです) ・お湯(沸騰直後の熱々のお湯を用意してください)
【実験の仕方】
1.まず、空のペットボトルを用意します。
2.沸騰させたばかりの熱々のお湯をペットボトルに少しだけ入れます。 (ペットボトルの底が隠れる程度で十分です。やけどには十分に注意し、必ず保護者の方が行ってください)
3.ペットボトルのフタを閉めて、軽く振ります。そして、すぐにフタを開けてお湯を捨てます。
4.お湯を捨てた直後に、素早くフタをしっかりと閉めます。
5.そのまま机の上に置いて、しばらくペットボトルの様子を観察してみましょう。
なんとも不思議!ペットボトルが誰も触っていないのに、突然潰れていく様子を確認することができます。
これが突然・・・ベコン!

いったい誰がこのペットボトルを潰しているのでしょうか?しばらくすると、ペットボトルが「ベコン!ベコン!」と音を立てながら、内側にへこんでいくのがわかるはずです。まるで誰かに握りつぶされているみたいで、子どもたちはきっと目を丸くして驚きますよ!
科学のタネ明かし!怪奇現象の犯人は「大気圧」だった!
この不思議な現象の犯人は、ズバリ「大気圧」です。一体どういうことなのか、理科の3つのステップで解説しましょう。
ステップ1:熱いお湯でペットボトルの中の空気を追い出す 熱いお湯を入れると、中の空気は温められて膨らみ、外へ逃げていきます。さらにお湯の一部が水蒸気となり、ペットボトルの中は水蒸気でいっぱいになります。
ステップ2:フタを閉めるとペットボトルの中の圧力が下がる フタを閉めた後、中の水蒸気が冷やされると、再び液体(水)に戻ります。気体が液体になると体積は劇的に小さくなる(約1700分の1!)ため、ペットボトルの中の気圧は急激に下がってしまうのです。これを「状態変化」と呼びます。
ステップ3:外側からの力に耐えられず潰れる 私たちの周りには、空気の重さによる巨大な力、「大気圧」が常にかかっています。外側の圧力は強いままなのに、内側の圧力が弱まってしまったため、ペットボトルは外からの力に耐えきれずに押しつぶされてしまったのです。
大迫力!ドラム缶をも一瞬で潰す空気の威力
大規模な実験で、私がいつかやってみたいと思っている有名なものに、大気圧でドラム缶を潰すというものがあります。
この動画では小学生の目の前で実験を行っています。頑丈なドラム缶がなかなか潰れず、子どもたちが「まだか!まだか!」と焦っている様子がとても面白いですね。早く冷やして気圧を下げるために、一生懸命水をかけている姿も「科学の実践」そのものです。
この現象は、山に持っていくとパンパンに膨らむお菓子の袋とは、ちょうど「逆」の原理です。大気圧や圧力、熱運動、状態変化など、ペットボトル1本に理科の重要なエッセンスがぎゅっと詰まっています。ぜひ、この驚きをきっかけに、お子さんと一緒に科学の世界を探求してみてください!
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