おばあちゃんの生きる智慧! 磁石を引きずって歩くサイエンスおばーちゃん!

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。

今回は、生きる力ってなんぞや?という本を紹介します!その名も『佐賀のがばいばあちゃん』。

佐賀のがばいばあちゃん

 この本は、吉本の芸人であり、島田洋七さんが幼少期に過ごしたおばあちゃんの実話を元にした物語です。少し前に大人気になり、映画化もされたので、ご存知の方も多いかもしれません。久しぶりにこの本を読み返してみたら、やっぱり感動の嵐!島田さんの幼少時代、貧乏な時代に、おばあちゃんから教わった「ケチ」な智慧の数々が、自然をうまく使った工夫に満ちていて、涙が出るほどの人情が感じられる物語です。

今回は、この本の魅力を3つのポイントに絞って紹介しますね。

ポイント1:おかれた環境で楽しむ

島田さんは幼い頃、大好きなお母さんから離れ、ど田舎の佐賀のおばあちゃんの元に預けられます。広島から来た都会っ子が、初日にいきなり薪でご飯を炊くことになるのです!これぞ、「生きるための生活」の始まり。驚きの連続だったことでしょう。でも、そのつらい毎日を過ごす中で、おばあちゃんはいつも明るくて、「うちは明るい貧乏だからいい」と言い切るのです。

さらに、おばあちゃんの工夫には驚かされます。おばあちゃんは、腰に紐をつけて磁石を引きずりながら仕事から帰ってくるのです。道中に落ちている鉄釘や鉄くずを磁石で集めて、それを売ってお金に換えるためだそうです。まさに「サイエンスおばあちゃん」!一つの行動で二つの目的を果たす、そんな工夫がとても面白いですよね。

ポイント2:視点を変えると世界が変わる

おばあちゃんに成績のことで相談すると、こう言われます。「通知表は0じゃなければええ。1とか2を足していけば5になる」と。笑ってしまいますが、確かに一理ありますよね。

他にも、「英語がわからん」と言うと、「わたしは日本人ですって書いておけ」とか、「漢字が苦手だ」と言うと、「ひらがなとカタカナで生きていますって書いとけ」と言うのです。さらには、「歴史も嫌いでなあ」と言うと、「過去にはこだわりませんって書いとけ!」と返されるのです。

こんな風に、おばあちゃんはいつもユニークな視点で物事を捉えて、ポジティブな解決策を提示してくれるのです。

ポイント3:隠れたやさしさを発揮する

この本には、おばあちゃん以外にも、素敵な人物がたくさん登場します。例えば、運動会の日、島田さんは教室で一人、寂しそうに梅干し弁当を食べていました。そこへ、担任の先生が「おなかが痛くなった」と言い、自分の豪華な弁当を島田さんにくれたのです。また、近所の豆腐屋さんは、わざわざ豆腐をつぶして、安く売ってくれていたのです。おばあちゃん曰く、「人に気づかれないのが本当の優しさ、本当の親切」なのだそうです。

こんな素敵なサイエンスおばあちゃんの物語、ぜひ手に取って読んでみてください。

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